CHEKCCORI通信 Vol.142【キムジャンとぼたん雪とトンチミの思い出】

※このメールは、チェッコリからお送りしています。

2021.11.25

CHEKCCORI通信 Vol.142 http://www.chekccori.tokyo/


ごあいさつ

気がつけば今年も11月がまもなく終わり、師走を迎えようとしています。 ニュースでは紅葉のピークや紅葉を楽しめるスポットなどの情報をよく見かけます。神保町周辺も、赤や黄色に色づいた木々が目につき始めました。 歩いて10分以内の所に皇居や公園もあり、神保町こそコロナに縛られ固まっていた体と心を少しでも和らげられるちょうどいいスポットではないかと。 先週盛況に終えました「K-BOOKフェスティバル2021 in Japan」の連動企画が、チェッコリではまだまだ続いています。 ポップアップストアにご来店の方限定のプレゼントキャンペーンで、ご購入の方にはうれしい特典もあります。 神保町で紅葉狩りをしながら好きな本を読む。素敵な組み合わせですよね(笑) https://k-bookfes.com/information/popupcampaign/
(ジヨン)
お知らせ

12月4日(土)営業時間短縮のお知らせ

12月4日(土)はYouTubeライブ配信のため、閉店時間を1時間繰り上げて18時までといたします。 開店時間は通常通り11時です。 どうぞお間違えのないようお出かけください。 http://www.chekccori.tokyo/news/211125

2022年1月開講「チェッコリ翻訳スクール」受講生募集中

2022年1月に開講する「チェッコリ翻訳スクール」の受講生を募集中です。 人気の承賢珠先生のノンフィクション翻訳コースは、「ノンフィクション読解コース」として生まれ変わり、翻訳の前提となる「作品の内容に対する理解を深めること」「背景を知ること」などにフォーカスを当てていきます。 一部、定員に達しているクラスもありますが、新設のカン・バンファ先生による出版翻訳基礎コースにもまだ空きがあります。新年はあたらしいことにチャレンジしてみませんか。 http://www.chekccori.tokyo/honyaku_school

配送料無料設定金額の引き上げのご案内

国際配送運賃の値上げに伴い、「CHEKCCORI BOOK HOUSE」のご利用に際して、配送料無料設定金額を引き上げさせていただきました。◆改定日時:2021年11月10日(水)午前10時より ◆改定金額:税込7,000円以上お買い上げの場合、配送料無料を適用 どうぞご理解の上ご利用くださいますよう、お願いいたします。 詳しくはこちらをご覧ください。 http://www.chekccori.tokyo/news/211028
店長のおすすめ

きむ店主おすすめの詩集

『여수 서효인 시집』 (麗水 ソ・ヒョイン詩集)

「K-BOOKフェスティバル2021 in Japan」で「日韓文芸誌編集者対談:『Littor』と『文藝』を語る」に出演したソ・ヒョインさんは1981年、光州生まれの詩人でもある。 麗水、谷城(コクソン)、梨泰院(イテウォン)、江華島(カンファド)、珍島(チンド)、延禧洞(ヨニドン)、錦南路(クムナムロ)、江陵(カンヌン)、 大田(テジョン)、坡州(パジュ)、霊光(ヨングァン)、鉄原(チョロン)、開成(ケソン)など朝鮮半島の多くの町がソ・ヒョインによって詩になっている。 これらの地で何が起きたのかが日本に住んでいる私たちにもすぐわかる。 詩人の個人的な記憶と社会的な歴史・事件、空間と時間がクロスしている。 小説や映画とはひと味違った叙事を吟味してほしい。
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しみず店長おすすめのエッセイ

『일기시대』(日記時代)

先日刊行されたばかりの『日刊イ・スラ』(朝日出版社)の著者イ・スラさんは、 毎日1本ずつ文章を書き、有料のメールマガジンとして配信するという試みで注目をあつめた作家さんですが、 こちらの著者は、手書きの日記を読者に郵便で届ける「日記デリバリー」を運営する詩人のムン・ボヨンさん。 「日記はとても人間的で善良な面があり、誰かの日記を読むとその人のことが完全には憎めなくなる」 「私の魂と日記を書いた人の魂が微妙に混ざり合って、私も相手も少しだけ自分が自分でなくなる」という著者のことばに、心がふわっと解けていくのを感じます。 さあ、今日から日記をはじめてみようという気にさせてくれるやさしい日記論です。
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ぱく店長おすすめのコミック

『혼자 입원했습니다 – 요절복통 비혼 여성 수술일기 』(一人で入院しました―非婚女性の爆笑手術日記)

コールセンターに勤務する派遣社員、32歳のチョ・ギスンは便秘に悩まされ病院を訪れたのだが、そこで子宮に腫瘍があると診断される。 手術が必要で、もちろん入院となるのだが、貯金や生活全般の不安を抱えながらの闘病には、予想外の困難も起こるのだった……。 漫画家タドゥレギさんの経験を反映した話ではあるが、困難は正社員と派遣社員、男性と女性の間だけでなく、意外にも“同じ女性の間”にもあることを実感させられる。 yes24の「책읽아웃」というポッドキャストで作家ファン・ジョンウンさんとタドゥレギさんが対談していますが、こちらでは自身の初潮や学生時代の性教育についてどうされていたのかなども話されているのでチェックしてみてください。 http://m.ch.yes24.com/article/view/46135
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ノ店長おすすめの学習書

『한국인의 99%가 헷갈려하는 동음이의어』(韓国人の99%がこんがらがる同音異義語)

韓国人もこんがらがる同音異義語を辞典のようにㄱ、ㄴ、ㄷ、ㄹ(カナダラ)順にまとめた本。 日常でよく使われる同音異義語の意味と様々な用例が盛り込まれています。 特に、漢字語の同音異義語についてそれぞれの正確な概念まで説明しているので、思考力を高めるのに役立ちます。 また、新聞に出てくるような例文が添えられていてどういうふうに使えばいいのかが理解しやすいです。 同じ発音で意味の違う単語がこれほど多かったのかと改めて驚くかもしれません。 例えば、「사과」という単語には「りんご」 と「謝る」という意味がありますよね。 こうした意味の違う単語がたくさん載っているので、韓国語の学習者ならぜひ一度触れてほしい1冊です。
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ジヨン店長おすすめの翻訳案内書

『번역의 모험』(翻訳の冒険)

「翻訳のバイブル」とも呼ばれている『翻訳の誕生』の著者イ・ヒジェによる12年ぶりの続編。 翻訳の世界に足を踏み入れる人々の必読書である『翻訳の誕生』と同様に、『翻訳の冒険』にも翻訳や韓国語に興味のある人なら知っておくべき文章に関する洞察や考え方が盛り込まれている。 著者が特に強調している韓国語の原則は「低い敷居」。 敷居の低い文章とは、読みづらくない文章、自然で滑らかに読める文章のことで、そのような文章を書くために訳者が力を入れるべきことについて詳しく説明されている。 さらに、明瞭で簡潔な韓国語の文章を作るのに必要な原則を七つのテーマに分けて一目瞭然にし、歴史と文化的背景からその理由を探っている。
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ささき店長おすすめの日本語で読める小説集

『世界でいちばん弱い妖怪』

公開翌日、全米第1位を記録したというNetflixのオリジナル韓国ドラマ『地獄が呼んでいます』を見ながら、その世界感が共通するのでは?と思ってしまったのがこの作品。 中学を中退し、ソウルの工場勤務の合間に退屈しのぎにネット掲示板に投稿した短い小説が大きな話題になり、小説家デビューしたキム・ドンシクさんによる作品集です。 彼が紡ぎ出す物語は、時に背筋がぞっとし、得体の知れない笑いもあるのだけれど、その根底から発せられるメッセージがじわりと心に沁みてきます。 ショートショート18編が楽しめる、新しい時代の新しい韓国小説です。
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ミニコラム

キムジャンとぼたん雪とトンチミの思い出

22日は小雪でしたね。 韓国は今がちょうどキムジャンのシーズンです。冬の間に食べるキムチは立冬の前後10日以内に漬けこむのが一番美味しいと言われていて、2013年には「キムジャン文化」がユネスコの世界無形文化遺産にも登録されています。 都市化や貯蔵方法の変化によってまとめて大量に漬け込む必要がなくなり、その規模は小さくなっていますが、私が小さい頃は町中の人たちが助け合いながらキムジャンをやっていました。 地域や各家庭によってキムチの種類は様々ですが、白菜や大根を塩に漬けることから始まり、何種類かの塩辛、塩魚汁(しょっつる)、からし菜、マフノリなどの材料の準備から完成まで2日はかかる年中行事でした。 『愛の不時着』にもおばさんたちが一緒にキムチを漬ける場面が登場しましたね。 冷蔵庫がなかった時代は、キムチを入れた壺を土に埋め込んで保存していましたが、今はほとんどがキムチ冷蔵庫を使い、最適の温度で美味しく熟成させながら冬の間キムチを楽しんでいます。 キムチ冷蔵庫は、どの家庭にも1台はある必須家電となりました。 また、キムジャンの日には漬けたばかりのキムチとスユク(ゆでた豚バラ肉)を食べるのが定番となっています。 できたてのキムジャンキムチは普段のキムチとは違う独特の味がありとても美味しく、スユクとの相性も抜群です。 今は近所のスーパーでも韓国のキムチが購入できるようになりましたので、キムチを活用した鍋料理などで暖かく元気にこの冬を過ごすのはいかがでしょうか。 突然、ぼたん雪の積もった静かな冬の夜、壺から出したばかりの薄氷のかかったトンチミの味を思い出しました。 今年が終わる前にトンチミでも漬けてみようかしら^^
(ノ)
イベント情報

11月25日(木)19:00~20:30 【オンライン】伊東順子の“韓国事情”お話します―第1回「韓国の家について:チョンセ制度とは?」

在韓歴30年のフリーライター・翻訳者の伊東順子さんによる新企画がスタート。 初回は、韓国文学にもドラマにもしょっちゅう登場する韓国独自の不思議な賃貸制度「チョンセ」についてです。 元々は互助制度としてスタートしたものですが、いつのまにか不動産価格高騰の隠れた原因の1つとなっています。 暗い話だけでなく、韓国の「家」の素晴らしさも織り交ぜながら、実際の不動産広告などを利用して紹介していただきます。 http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/7116?mc_id=826

11月26日(金)19:00~21:00 オンライン【チェッコリ大学】熊木勉先生から学ぶ「転換期における韓国の詩」―第2回4月革命から軍事政権へ

激流の中を生きた詩人たちの言葉に触れることで韓国を知る第2回目。 自由が訪れたかに思われたつかの間の四月革命、そして、その後の厳しい軍事政権下で詩人たちはどのような詩を書いたのか、金洙暎(キム・スヨン)、申東曄(シン・ドンヨプ)、申庚林(シン・ギョンニム)らの作品を通して見ていきます。 http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/6836?mc_id=813

11月27日(土)13:00~14:30 ※満席になりました 【オンライン】ゆうき先生の韓国語翻訳ゼミナール―第2回ちょこっと翻訳体験講座

ゆうき先生の翻訳ゼミナール第2回は、「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」(第5回)の課題作の一つ「모멘트 아케이드(モーメント・アーケード)」を題材に、実際に各自翻訳をしてみるワークショップです。 互いの訳をグループディスカッション(ブレイクアウトルーム)で検討し合い、ゆうきさんによる解説で読みを深めます。 辞書を使いながら原書が読める方でしたら誰でも参加可能です。30名限定。 http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/6960?mc_id=820

11月30日(火)20:00~21:30 【オンライン】『愛の不時着』を誕生させた韓国ドラマの力の源泉を探るシリーズ③

第1次韓流ブーム以前から韓国ドラマを見続け、多くの俳優への取材経験を持つ小田香さんと、韓国映画にも造詣の深い佐藤結さんが、韓国ドラマの魅力を様々な角度から解説するシリーズ。 最終回は、『冬のソナタ』から『愛の不時着』に至るラブストーリーの変遷に加え、時代劇、ファンタジー、サスペンスと、時代ごとにジャンルがどのように多様化していったかについてお話しいただきます。 http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/6552?mc_id=805

12月4日(土)13:00~14:00 【オンライン】韓国時代劇の歴史がよくわかる講座―第3回 古代韓国の歴史と英雄

康熙奉(カン・ヒボン)先生の『新版 知れば知るほど面白い』シリーズの刊行を記念し、3回にわたってお届けする企画。 最終回は、『古代韓国の歴史と英雄』をもとに、NHKのBSプレミアムで放送中の『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』などにも登場する人物や英雄についてコンパクトに解説していただきます。 http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/6839?mc_id=816

12月4日(土)19:00~19:40 【Youtubeライブ配信】<キーワードで読む韓国文学>翻訳者と語るエッセイ『女ふたり、暮らしています。』

今年2月の邦訳刊行以来、多くの共感を得ている『女ふたり、暮らしています。』 コピーライター出身のキム・ハナさんと元ファッション誌編集者のファン・ソヌさんが、この共同生活記を通して提案している「これまでの価値観にとらわれない暮らし」や「多様性」について考えるYouTubeライブをお届けします。 進行役はチェッコリスタッフで、日本生まれの澤田今日子と韓国生まれのキム・ジヨン。ゲストに翻訳者の清水知佐子さんを迎え、Q&A形式で楽しくお話を伺っていきます。 http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/8775?mc_id=827

12月8日(水)20:00~21:00 【オンライン】「今日も韓国ミュージカル日和 ♪」に寄せて、韓国ミュージカルを熱く語ります!

映画、ドラマ、K-POPの次に注目の韓国エンタメはミュージカルです! 圧倒的な歌のうまさに加えてクリエイティビティの高い優れた舞台がたくさん生み出されている韓国のミュージカル界。 K-POPアイドルの出演も増え、ますます関心が高まっている韓国ミュージカルの魅力や特徴について、『今日も韓国ミュージカル日和 ♪』を上梓された田代親世さんに熱く語っていただきます。 http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/11153?mc_id=828

12月17日(金)19:00~21:00 オンライン【チェッコリ大学】熊木勉先生から学ぶ「韓国の詩」―第3回4月革命から軍事政権へ

激流の中を生きた詩人たちの言葉に触れることで韓国を知るシリーズの3回目。 激しい弾圧の嵐が吹き荒れた光州事件に関係する詩、あるいは民主化のために尽くした人たちの詩、厳しい状況下でも自分の生活を粛々と営む生活の風景を描いた詩など、1980年代から1990年代の詩人たちの言葉を読み解きます。 http://www.chekccori.tokyo/mc-events/general/6837?mc_id=814
おしまいに
K-BOOKフェスティバル、今年もまた一段と楽しかったですね。 来年はオフラインが実現できるかな。 今からわくわくです。
(しみず)

発行:CHEKCCORI(チェッコリ) http://www.chekccori.tokyo/ https://www.facebook.com/chekccori 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-7-3三光堂ビル3F TEL:03-5244-5425 FAX:03-5244-5428 mail:chekccori@gmail.com