CHEKCCORI通信 Vol.116 【K-BOOKのお祭り「K-BOOKフェスティバル」イベント申込受付開始しました!】


2020.10.26

CHEKCCORI通信 Vol.116

http://www.chekccori.tokyo/

ごあいさつ

金木犀が香ってきて、
あちこちのお店に栗やかぼちゃの美味しそうな食べ物が並び、
温かいコーヒーを一層美味しく感じ始め……と、
秋を少しずつ楽しんでいたら、
気づけば随分ひんやりとしてきましたね。

年末に向けて慌ただしくなる頃でもありますが、
時には一息ついて、読書と食欲の秋を満喫したいものです。
11月末にオンラインで開催する「K-BOOKフェスティバル」
(K-BOOK振興会、韓国国際交流財団共催)も準備が進んでいますよ。
秋の予定にぜひ加えておいてくださいね。
(木・金曜店長 さわだ)

お知らせ

K-BOOKフェスティバル 2020 in Japan イベント申込もスタート

11月28日、29日開催の「K-BOOKフェスティバル 2020 in Japan」のオフィシャルサイトが更新されました。
イベントプログラム詳細、そして参加出版社や本の販売を担当いただくポップアップストアの
ご案内などが追加されています。
ハン・ガンさんのトークイベントやハン・ガン作品の翻訳者座談会、『82年生まれ、キム・ジヨン』の日韓装幀家対談は申し込み受付を開始しました。
https://www.k-bookfes.com/

店長のおすすめ

きむ店主おすすめの歴史ファンタジー小説

『킹 세종』(キング 世宗)

アメリカのSFドラマ『スタートレック』の脚本家でプロデューサーのジョー・メノスキー氏が
書いた歴史ファンタジー小説『キング 世宗』が今年、10月9日のハングルの日に合わせて韓国語版と英語版が刊行された。

大の韓流ファンでもあるメノスキー氏は世宗大王を英雄として尊敬していて、
自分が英語で書いて英語圏の人々に世宗大王の天才性を紹介したかったと序文で書いている。

物語は、漢字の読み書きが出来ない民衆を哀れに思い、1446年に表音文字である
訓民正音(ハングル)を秘密裏に制定し発表する場面をクライマックスにしている。
当時の朝鮮は明(中国)の一部であるからこそ一流の文化を得られるとし、
独自の民族文字をもって中国の文化圏から離れればモンゴル人・チベット人・満州人・日本人等のように野蛮人に成り下がると保守派の反対が強かった。

内容は私たちが知っているハングルや世宗大王の話と大きく違うが、
時間と空間(当時のモンゴル、明、日本、朝鮮を行き来する登場人物が多い)の交差が多い
SFドラマである。
360ページもあるが一気に読んでしまう(本作はアメリカでドラマ化されるとのこと)。

最近どこの国も真のリーダー不在が叫ばれる中、世宗大王は芸術家で、科学者で、言語学者で、国民を第一に思う王で、妻思いの優しい夫で、とにかくマルチプレーヤーである。
CHEKCCORI BOOK HOUSE で購入する

しみず店長おすすめの小説

『떠도는 땅』(さすらいの地)

1937年、沿海州に住んでいた17万人の高麗人(コリョサラム)が、
対日協力の疑いを理由に、 ソ連政府によって中央アジアに強制移住させられた
歴史的事実をもとにした長編小説。
貨物列車という劣悪な環境の中で、
行く先もはっきり告げられないまま移住先へと向かう人々の受難が、
彼らの会話を中心に描かれている。
歌うように、詩を詠むように紡がれる彼らの声を追いかけていると、
まるで舞台演劇を見ているような錯覚に陥る。
人々の言動には、不安や絶望がもたらす喜劇性すら感じられ、
悲劇的な事実がよりリアルに胸に迫ってくる。
2020年東仁文学賞受賞作。
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ぱく店長おすすめの小説

『붉은 집 살인사건』(赤い家殺人事件)

事務所を構えず、法廷にも出ない。 “闇の弁護士” と呼ばれるコ・ジンに来る依頼は不穏なものばかりだ。
その名声を聞いて今回依頼してきたのは、三代続いて殺人があった
「赤い家」に住むナム・グァンジャ。
余命いくばくもない兄の相続について相談したいということだったが、
話は次第に家族の隠された歴史へと移っていく……。

現職が判事だという作家ト・ジンギの記念碑的作品。
その魅力はなんといっても法とは別に事件を解決する主人公のコ・ジンにある。
タイトルからして古典ミステリーの魅力がちりばめられた、
ミステリー好きには読まずにはいられない作品となっている。
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ノ店長おすすめの大人のための童話

『마당을 나온 암탉』(庭を出ためんどり)

養鶏場に閉じ込められて卵を産むたけのめんどりのイプサクは、
外の世界に出て自由に生きながら卵を抱くことを夢見る。
偶然、大自然に出てきたイプサクは、旅人の助けを借りて、
自由を満喫しながら徐々に適応していく。
そんなある日、捨てられた白っぽいマガモの卵を発見し、
生まれて初めて卵を抱き始めるイプサク。
しかし、卵を狙っている片目のイタチがいるため、ひと時も卵から目を離すことができない。
とうとう殻を破って生まれてきたマガモのチョロクはイプサクを”ママ”と思うようになるが…。
養鶏場を脱出し外の世界に出てきたイプサクと、マガモのチョロクの夢と
自由に向けた勇敢な挑戦を描いた感動的な物語。
童話としては韓国で初のミリオンセラー。29ヶ国で翻訳出版された本書は、
ユン・イェジ作家のかわいいイラストが加わり、
大人向けに誕生した発売20周年記念特別版である。
また、映画化されて観客動員数は220万人となり、韓国のアニメ映画としては最大のヒット作となった。
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さわだ店長おすすめのエッセイ

『사라지지 않는 간판들』(消えない看板)

韓国旅行で見かけた店や、お気に入りの場所の看板を
カメラにおさめている人も多いのではないでしょうか?
現代の都市、特にソウルでは、急速な産業化とともに
街はあらゆる業種、店の看板で溢れました。
ネオンが輝くものから手作りの個性派看板、
外来語の表記法が定まっていない時代に書かれたつづりの違う看板まで、
一つひとつが変化に富んだ街の歴史を物語っています。
著者は2011年から約10年にわたり、
看板とそれを大切にする店の人々をフィルムカメラで撮影。
街の片隅でコツコツと役割を果たしてきた姿を
写真と文章で一冊にまとめました。
洗練さや派手さはないけれど、懐かしくて温もりを感じる看板が、
消えずに残り続ける大切なものについて考えさせてくれます。
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ミニコラム

温かい食べ物で心も体も元気に

日中と朝晩の寒暖差が大きくなってきましたね。
こういう季節には温かいスープや鍋料理が恋しくなります。
今回は、韓国では定番のコンナムルスープの作り方をご紹介いたします。
あっさりとしたコンナムルスープは、ビタミンCが豊富で肝臓の機能を高める効果があるので、二日酔いにもいいと言われています。作り方は割と簡単です。

1Lの出汁を鍋に入れて沸騰してきたら、豆もやし200g、スープ用醤油の
ククカンジャンまたはイワシエキス小さじ1、にんにくのすりおろし大さじ1、
斜め薄切りにしたネギ1/2本を入れ、5分程度煮たら仕上げに小さじ1のごま油を入れて出来上がりです(味が薄かったら少量の塩またはエビの塩辛で味を調えてください)。

唐辛子の粉、豆腐、キムチ、スケトウダラなど、入れる物によってキムチコンナムルスープ、
スケトウダラコンナムルスープなどに変わります。
豆もやしの生臭さを防ぐためには、蓋をしたまま調理するか、
最初から蓋をしないで調理する二通りの方法があります。

韓国では、熱いサムゲタンやヘジャンクク、コンナムルスープなどを食べては、
아, 시원~하다(直訳「涼しい」ですが)と言います。聞いたことありますか?
初めて聞いた外国人はおかしいと理解できない顔をしますが…(笑)。

温かい食べ物で心も体も元気にお過ごしくださいね。

↓こちらの料理本もぜひ参考にしてください。
전국 해장음식열전(全国ヘジャン料理列伝)
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/814 
신동엽, 성시경은 오늘 뭐 먹지? (シン・ドンヨプ、ソン・シギョンの今日は何食べよう?)
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/546 
코리아 베스트 레시피 2019(コリアベストレシピ2019) 
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1325 
(火・水曜店長 ノ)

イベント情報

◆10月30日 (金) 19:00 – 21:00
【オンライン】第3期[チェッコリ大学]韓国文学100年を学ぶ⑨

きむ ふな先生による「韓国文学100年史」講座の最終回のテーマは「今日の韓国文学」。
1997年の経済危機とグローバル化による今日の韓国社会の様子を文学作品を通して考えます。
近年、活躍が光る女性作家たちも多く、近代から今日までの主な女性作家の作品をご紹介いただきます。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=715

◆11月3日 (火) 20:00 – 21:00
【オンライン】ささきの部屋vol2~竹島のある島根のラジオパーソナリティー、おがっちさんに聞く~

チェッコリの宣伝広報担当のささきがゲストをお招きしてお話を伺う「ささきの部屋」の第2回のゲストは島根のラジオパーソナリティー、おがっちさんこと小片悦子さんです。
「あの竹島のある島根から韓国に愛を叫んでいるんです」と言い、
その愛を詰め込んだ『おがっちの韓国さらん本』も出版されているおがっちさんに、
地元の皆さんにとっての「竹島」のこと、そして愛する韓国のことなどたっぷり伺います。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=728

◆11月10日 (火) 20:00 – 21:00
【オンライン】済州オルレの哲学は海を越えて九州・宮城へと続く、その魅力とは?

済州オルレは、韓国最南端の島である済州島発祥の歩くためにつくられた道のことです。
済州オルレの哲学は海を経て、九州オルレや宮城オルレとして日本にも受け継がれています。
今回はその日本での誘致に尽力されてきた李唯美(イ・ユミ)さんに、「オルレ」の魅力、
その哲学についてお話を伺います。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=731

おしまいに

事務局として「K-BOOKフェスティバル」の準備にまい進中の今日この頃。
Web制作、デザイナー、音声・配信担当、と多くのプロたちと一緒に進めています。
プロの力を大いに発揮してもらうことが肝だと頭に刻みつつ、
1000本ノックのようにメールに応えています。スマッシュ力(笑)がついてきました。
(宣伝広報担当 ささき)

発行:CHEKCCORI(チェッコリ)
http://www.chekccori.tokyo/
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〒105-0001 千代田区神田神保町1-7-3三光堂ビル3F
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