【延期となりました】第2期[チェッコリ大学]韓国文学100年を学ぶ

※講師と協議の上、2月28日、3月27日は延期とさせていただきます。改めて募集いたします。

1つのテーマを複数回にわたってお届けするスペシャル講座「チェッコリ大学」です。
きむ ふな先生による「韓国文学100年史」講座の第2期(4回~6回)のお知らせです。

 

<講義内容>

いま、韓国文学への関心が高まっています。最近の話題作が次々翻訳され、それほど時差を持たずに読むことができ、それに対する読者の反応も熱く早いです。
しかし、韓国の文学作品を読み始めた読者のための、韓国文学の全体像が分かるようなガイドブックや講座は絶対的に不足しています。特定の作家に関する研究書や韓国の研究書の翻訳もありますが、専門的な内容のため少しハードルが高いように思います。
そこで一般読者向けに、韓国近代文学の始まりから今日までの流れとその特徴について一緒に考える講座を思いつきました。この講座は、約100年にわたる韓国社会の変化と文学の変遷をたどるものになります。文学は個人を描くものですが、韓国文学はその個人が生きる社会の様子を色濃く映す特徴があります。文学と社会との関りについても考えていきたいと思います。

 

④1月24日(金) 解放と南北分断、そして「在日文学」
1945年8月、植民地から解放された朝鮮半島にはアメリカとソ連の対立が持ち込まれ、南北に分断されます。まもなく勃発した朝鮮戦争は大きな傷跡を残し53年に休戦、分断状況は今なお続いています。その混沌とした時代状況を1950年代の文学作品から考えてみます。そして、植民地支配と祖国の分断により生まれた「在日文学」の始まりから今日までの流れについて調べてみます。
取り上げる作家は、李範宣(イ・ボムソン)、孫昌渉(ソン・チャンソプ)張龍鶴(チャン・ヨンハク)など。在日作家としては金史良、張赫宙、李恢成、梁石日、李良枝、柳美里など。

 

⑤2月28日(金)1960年の四月革命とベトナム戦争
初代大統領の不正選挙や悪政による1960年の四月革命と朴正煕(パク・チョンヒ)のクーデターで始まる軍部独裁政権下の社会について、1960年代を代表する金洙暎(キム・スヨン)の詩と金承鈺(キム・スンオク)の小説を通して考えてみます。また、ベトナム戦争と韓国文学について、派兵された韓国作家たちの作品を通して考えてみます。
ベトナム戦争を扱った作品は、黄晳暎(ファン・ソギョン)の『武器の影』、チェ・ウニョン「シンチャオ・シンチャオ」(『ショウコの微笑』に収録)などの和訳があります。

 

⑥3月27日(金)「分断文学」の流れ
解放とともに始まった南北の分断は朝鮮戦争により固着し、70余年にわたりイデオロギーの対立が続いています。こうした分断状況が文学作品にはどのように描かれてきたのか、その変化をたどってみます。
黄順元(ファン・スンウォン)の「鶴」や崔仁勳(チェ・インフン)の『広場』、趙廷來( チョ・ジョンネ)の『太白山脈』、脱北者を描いた作品、脱北作家の作品について話します。

※この講座は3回×3クール、計9回で韓国文学100年史を振り返ります

 

<講師プロフィール>

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きむ ふな
翻訳者。韓国生まれ。韓国の誠信女子大学、同大学院を卒業し、専修大学日本文学科で博士号を取得。翻訳書に、ハン・ガン『菜食主義者』、キム・エラン『どきどき僕の人生』、ピョン・ヘヨン『アオイガーデン』、チョン・ミギョン『夜よ、ひらけ』(以上、クオン)、津島佑子・申京淑の往復書簡『山のある家、井戸のある家』、孔枝泳『愛のあとにくるもの』、『いまは静かな時—韓国現代文学選集』(共訳)など、著書に『在日朝鮮人女性文学論』がある。韓国語訳書の津島佑子『笑いオオカミ』にて板雨翻訳賞を受賞。

 

<講義日程>

■日時:2020年1月24日(金)※満席になりました 、2月28日(金)、3月27日(金)各19時~21時
■受講料:各回2500円 ※3回券はまとめて7000円
■定員:20名

⇒ 延期となりました。改めて募集いたします。

 

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