6月の特集【5・18を機に考える「民主化運動とジェノサイド」】

チェッコリで5月17日(水)に行われたイベント「1980年5月18日!光州民主化運動のこと。韓国現代史を語る。」は、40人近い方から参加申込があり、関心の高さがうかがえました。
また先日の光州民主化運動記念式典で、就任したばかりの文在寅大統領が行ったスピーチにも注目が集まりました。

そこで今回は、5・18をはじめとする民主化運動とジェノサイドを扱った本を特集します。
暗く、重いテーマですが、絵本や小説などを通して「心で感じる」ことで、事件や民主化について考えてみるきっかけになればと思います。

 

◇絵本で知る光州民主化運動

『오늘은 5월 18일』(今日は5月18日)

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光州育ちの作家ソ・ジンソンが、高校3年生の時に起きた5・18民主化運動(光州事件)について、自らの経験も織り交ぜながら仕上げた絵本。街に押し寄せた兵隊や銃声への恐怖心、民主化運動に飛び込んでいった姉のこと、民主化運動を武力で鎮圧しようとする国家権力対する反発心が、一人の少年の目を通して描かれています。

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◇マン・ブッカ―賞作家が贈る5・18への鎮魂歌

『少年が来る』
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あのとき、生を閉じた者の身に何が起きたのか。生き残った者は、あれからどうやって生きてきたのか。未来を奪われた者は何を思い、子どもを失った母親はどんな生を余儀なくされたのか。丹念な取材のもと、彼らの声にならない声を丁寧にすくいとった衝撃作。

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◇済州島四・三事件を知る絵本

『나무 도장』(木のはんこ)
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辛い歴史を振り返りながら、平和の道を探り続ける絵本作家のクォン・ユンドクさん。彼女が自ら、済州島四・三事件を調査・取材した内容をもとに制作された絵本です。大量虐殺の中で生き残った一人の少女シリが握っていた木のはんこの意味とは……。

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◇済州島にルーツを持つ在日作家、金石範の巨編

『화산도』(火山島)全12巻
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李承晩による軍事独裁政権に反抗して立ち上がった済州島の人々――政府軍によって八万人ともいわれる多くの人々が虐殺された済州島四・三事件をテーマに描いた、在日作家・金石範の超大作。日本語版の全巻出版から約20年の歳月を経て刊行された韓国語版。

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◇済州島四・三事件を真正面から取り上げた長編小説

『한라산의 노을』(漢拏山の夕焼け)
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済州島で生まれ、済州の神話、海女、伝統工芸などを研究してきた作家、ハン・リムファが、十年あまりにわたる取材に基づいて書き上げた長編小説。歴史の欠片を丁寧に紡ぐように描かれた物語は、武装隊のアジトと山間の村、海岸の村などを舞台に数多くの民衆が登場する。

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◇関東大震災と朝鮮人大虐殺を心で「感じる」

『구월, 도쿄의 거리에서 – 1923년 간토대지진 대량학살의 잔향』(九月、東京の路上で―1923年関東大震災ジェノサイドの残響)
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2013年、東京・新大久保の路上で繰り返された韓国人に対するヘイトスピーチ。そこで目にしたプラカードの暴言に、90年前の関東大震災後に起きた朝鮮人大虐殺と共通する何かを感じた著者が、事件の「目撃者」らから聞き取ってまとめたノンフィクション。淡々と綴られた回顧録が胸に迫ります。

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◇「知られざる」ジェノサイド

『ノグンリ虐殺事件―君よ、我らの痛みがわかるか』
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朝鮮戦争直後に韓国の老斤里(ノグンリ)近くのトンネルで米軍が約400人の避難民を虐殺したというニュースが1999年、ニューヨーク・タイムズなどで報道された。それを機に初めて世界的に広く知られるようになった「ノグンリ虐殺事件」で家族を奪われた著者が、自らの苦悩と向き合いながら戦争犯罪を告発したノンフィクション。

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