アジア文学の誘い@チェッコリー第3回『年月日』

毎月お届けする「アジア文学の誘い@チェッコリ」の第3回は、中国文学から『年月日』です。
この企画をナビゲートしてくださるのは書評家の倉本さおりさんと長瀬海さんのお二人です。時にはゲストも交えて「アジア文学」を大いに味わい尽くします。

※当初予定しておりました田原(でんげん)さんはご事情により、不参加となりました。どうぞご了承ください。

<イベント内容>

アジア文学の誘い@チェッコリは、日本を含めたアジアの小説を横断的に読むイベントです。
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第3弾は閻連科著『年月日』(2016年、 谷川 毅訳、白水社)。

『年月日』は、ひとりの老人と一匹の目の見えない犬の物語である。「はるか大昔の日照り続きのその年、年月はあぶられ、ほんのひとひねりで灰のようにボロボロ崩れ、日々は燃えている炭のように張りつき、手のひらをジリジリと焼いていった」そんな大干ばつの時代に、人里離れた中国の山奥の村で、貧しい農民の人々が暮らしていた。燃えさかる太陽から逃げるように、村人たちは出て行った。彼らの土地に広がる畑を捨てて。残ったのは、先じいと、かつて村で行われた残酷な雨乞いの儀式のために両目の視力を失った雄犬・メナシ、そしてトウモロコシの苗がたったひとつだけ。ここから先じいとメナシの過酷なサバイバルが始まる。井戸は枯れ果て、食料はすでに村人たちが持ち出してしまった。渇きと餓え。それでも先じいは生きることを諦めない。村人の畑からトウモロコシの種を掘り起こしては蓄え、井戸に布団を投げ込んでは少しでも水分を吸いこませ、それらを頼りに生きながらえるのだが――。

フランツ・カフカ賞も受賞した、中国発の世界文学者、閻連科。中国国内では発禁処分を受けながらも、今、社会にとって必要な物語を書き続けた小説家です。『年月日』から中国とは一体なんなのかをみんなで考えましょう。

スペシャルゲストに翻訳者の谷川毅さんと、なんと詩人・翻訳家の田原(でんげん)さんもお迎えすることになりました!
田原さんは閻連科と同郷で知己の仲でもあるそうで、谷川さんと田原さんのお二人揃ってイベントに登場されるのも初めてのことだとか。
一緒に、閻連科という小説家の実態にも迫っていきたいと思います!

※当初予定しておりました田原(でんげん)さんはご事情により、不参加となりました。どうぞご了承ください。

 

そして皆さんも気になる今後のラインナップをご紹介しておきます。ぜひお楽しみに!
4月:呉明益『歩道橋の魔術師』台湾
5月:チョン・セラン『フィフティ・ピープル』韓国
6月:閻連科『年月日』中国
7月:ラシャムジャ『雪を待つ』チベット
8月:チェ・ウニョン『ショウコの微笑』韓国
9月:ウティット・ヘーマムーン『プラータナー』タイ ←変更になりましたのでご注意ください。

 

<ナビゲーター>

kuramotosaori

倉本さおり(くらもと・さおり)
ライター、書評家。毎日新聞文芸時評「私のおすすめ」、小説トリッパー「クロスレビュー」担当、週刊新潮誌上にて「ベストセラー街道をゆく!」連載中。ほかTBSラジオ「文化系トークラジオLife」にも出演中。共著に『世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今』(立東舎)。

 

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長瀬海(ながせ・かい)
千葉県出身。インタビュアー、ライター、書評家、桜美林大学非常勤講師。文芸誌、カルチャー誌にて書評、インタビュー記事を執筆。「週刊読書人」文芸時評担当(2019年)翻訳にマイケル・エメリック「日本文学の発見」(『日本文学の翻訳と流通』所収、勉誠社)共著に『世界の中のポスト3.11』(新曜社)がある。

 

<イベント概要>

■日時:2019年6月7日(金)19:00~20:30
■参加費:1500円(ワンドリンク付き)
■定員:30名

⇒ お申し込みはココをクリック!

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