日本語の厄介さがありがたさに変わる翻訳の世界

吉川凪さんが『殺人者の記憶法』で第4回「日本翻訳大賞」を受賞された際に、同時受賞されたのがポーランドの小説『人形』を訳された関口時正先生でした。そのご縁もあり、また関口先生ご自身も韓国のポーランド文学の研究者や翻訳家、あるいは演劇人との交流もあったことから、よりご縁が広がり、今回チェッコリのトークイベントにご登壇いただくことになりました。翻訳者の方のみならず、日本人である私たちみなが聞いても日本語の世界が広がりそうです。

ningyo

<イベント内容(講師より)>

――ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字‥‥と膨大な数の文字を覚えなければならず、一つの漢字に1ダースもの読み方があるような、学習には厄介きわまる日本語も、世界文学の翻訳では、「多様性」を表現する上で、また精密を期する上で、それらの厄介さ、複雑さを逆手に取って、もしかしたら英語や中国語、ハングルより、かえって有利になることがあるかもしれないという話をいたします。

 

<プロフィール>

Sekiguchi

関口時正

東大仏文科卒業。ポーランド政府給費生としてクラクフ大学に留学(1974~76)。ポーランド学科新設後の東京外大でポーランド文化を教えた(1992~2013)。ソウルの韓国外大ポーランド学科と密接な交流があり、時々でかけてポーランド語で講義をしたりもする。プルスの小説『人形』の翻訳(未知谷)で第69回読売文学賞、第4回日本翻訳大賞(キム・ヨンハ作、吉川凪訳『殺人者の記憶法』と同時受賞)。『ショパン全書簡 1816-1831年 ポーランド時代』(岩波書店)、イヴァシュキェヴィッチ『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)、レム『主の変容病院・挑発』(国書刊行会)など詩、戯曲、小説、書簡集、歌詞の訳書多数。著書に『ポーランドと他者』(みすず書房)、Eseje nie całkiem polskie(Universitas, 2016)など。

 

<イベント概要>

■日時:2019年6月14日(金)19:00~20:00
■参加費:1500円(ワンドリンク付き)
■定員:30名

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