アジア文学の誘い@チェッコリー第4回『雪を待つ』

毎月お届けする「アジア文学の誘い@チェッコリ」の第4回は、チベット文学から『雪を待つ』です。
この企画をナビゲートしてくださるのは書評家の倉本さおりさんと長瀬海さんのお二人です。時にはゲストも交えて「アジア文学」を大いに味わい尽くします。

 

<イベント内容>

アジア文学の誘い@チェッコリは、日本を含めたアジアの小説を横断的に読むイベントです。
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第4弾はラシャムジャ著『雪を待つ(2015年、 星 泉訳、勉誠出版)。

チベットの文化は過去有史二千年以上に続く。しかし、1958年になると共産中国の「民主改革」によってチベット文化は不毛の地となった。それから幾星霜、チベット文学は少しずつだが、復興してきた。近代的な文化の流入と、伝統的な文化の維持の狭間で新しい文化が興ったのである。

チベット文学はそうした過程を経て、今、世界に発信されている。とは言っても、邦訳されているのは片手で数えるほどだ。本作はその一つ。村長の息子である「ぼく」。やんちゃな洟たれ小僧「タルペ」。お姉さん肌のしっかりもの「セルドン」。化身ラマとなった「ニマ・トンドゥプ」。チベットの村で生まれ育った4人の子供たちの成長と挫折、そして再生の物語を描く、新しい世代による現代小説。

著者のラシャムジャは若干40代前半にして、チベットの文学賞を過去に三度受賞しているチベット文学を代表する小説家。チベット文学の最前線を読む宵にぜひお越しください。さらに、今回、同書訳者の星泉さんがご登壇!! チベット文学の現状とラシャムジャとは何者かをお話ししていただきたいと思います。
皆さんでチベットの風に酔いしれましょう!

 

そして皆さんも気になる今後のラインナップをご紹介しておきます。ぜひお楽しみに!
4月:呉明益『歩道橋の魔術師』台湾
5月:チョン・セラン『フィフティ・ピープル』韓国
6月:閻連科『年月日』中国
7月:ラシャムジャ『雪を待つ』チベット
8月:チェ・ウニョン『ショウコの微笑』韓国
9月:ウティット・ヘーマムーン『プラータナー』タイ ←変更になりましたのでご注意ください。

 

<ナビゲーター>

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倉本さおり(くらもと・さおり)
ライター、書評家。毎日新聞文芸時評「私のおすすめ」、小説トリッパー「クロスレビュー」担当、週刊新潮誌上にて「ベストセラー街道をゆく!」連載中。ほかTBSラジオ「文化系トークラジオLife」にも出演中。共著に『世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今』(立東舎)。

 

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長瀬海(ながせ・かい)
千葉県出身。インタビュアー、ライター、書評家、桜美林大学非常勤講師。文芸誌、カルチャー誌にて書評、インタビュー記事を執筆。「週刊読書人」文芸時評担当(2019年)翻訳にマイケル・エメリック「日本文学の発見」(『日本文学の翻訳と流通』所収、勉誠社)共著に『世界の中のポスト3.11』(新曜社)がある。

 

<イベント概要>

■日時:2019年7月3日(水)19:00~20:30
■参加費:1500円(ワンドリンク付き)
■定員:30名

⇒ お申し込みはココをクリック!

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