近代文学探訪:中野重治と朝鮮

明治大学教授の竹内栄美子先生とご縁をいただき、「中野重治と朝鮮」と題してお話していただきます。

nakano

<イベント内容>

プロレタリア文学の代表的作家である中野重治と朝鮮の関係は、詩「雨の降る品川駅」に見られるように、プロレタリア文化運動において朝鮮人運動家とともに活動した経験が基盤となっています。また、それ以前、中野の父親(中野藤作)が、朝鮮総督府臨時土地調査局の書記を一時期務めていたこと、詩人である妹の中野鈴子が、朝鮮人詩人の金龍済を恋人として慕っていたこと、これらも中野と朝鮮の関係の一端を示すでしょう。さらには、「梨の花」で点描された日韓併合のことや、朝鮮戦争時に書かれた「朝鮮の細菌戦」(『新日本文学』一九五二年九月号)も見逃せません。中野にとって朝鮮を考えることは日本を考えることでもありました。中野文学において朝鮮が重要なテーマであったことをお話したいと思います。

 

<プロフィール>

竹内栄美子:大分県生まれ(愛媛県出身)。お茶の水女子大学大学院修了。日本近代文学専攻。明治大学文学部教授。中野重治を中心としたプロレタリア文化運動や戦後文化運動、また堀田善衞や武田泰淳などの戦後文学を研究している。著書に『中野重治と戦後文化運動──デモクラシーのために』(論創社)、『中野重治・堀田善衞往復書簡1953-1979』(共編著、影書房)、『新編日本女性文学全集』第9巻(編著、六花出版)などがある。

 

<イベント概要>

■日時:2019年9月17日(火)19:00~20:00
■参加費:1500円(ワンドリンク付き)
■定員:30名

⇒ お申し込みはココをクリック!

 

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