[チェッコリ大学]韓国映画から学ぶ韓国現代史ー追加講座「ポン・ジュノ監督作品を読み解く」

1つのテーマを複数回にわたってお届けするスペシャル講座「チェッコリ大学」です。
クォン・ヨンソク先生による「韓国映画から学ぶ韓国現代史」講座です。
9月~11月の3回に渡ってお送りしましたが、そこで語り切れなかった「ポン・ジュノ監督作品」について追加講座を開催します。

 

<講義概要>

韓流および近年の韓国の文化力/ソフト・パワーの中心に、韓国映画の存在がありました。その韓国映画は、今年100周年を迎えました。この節目の年に、ポン・ジュノ監督の『寄生虫』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、記念碑的成果を収めました。なぜ、韓国映画は世界から評価されるのでしょうか? 韓国映画の躍進の背景には何があるのでしょうか? そこには、韓国独特の歴史的体験があります。
韓国は近代には日本による植民地支配を経験し、戦後は冷戦の最前線として「熱戦」と軍事独裁政権を経験し、今なお「分断体制」の下にあります。このような暴力と抑圧の歴史のなかで、韓国の市民は経済成長と民主化を達成し、21世紀に入ってからは文化・スポーツ大国となり、平和と共生と地域主義を志向するミドルパワーとして、世界史においてユニークな存在となりました。このような歴史的構造と体験が、韓国映画に豊富な題材とインスピレーションを与え、問題意識を涵養する土壌になったといえるでしょう。いわば、韓国映画には悲惨な歴史体験と痛烈な矛盾とそれらを克服した歴史いう、アドヴァンテージがあるのです。
本講義では、このような激動の韓国現代史について、韓国映画を通じて学ぶとともにその普遍的意義について考えることを目的とします。大きく、①朝鮮戦争と南北分断体制、②日本イメージと日韓関係、③韓国の民主化とキャンドル革命という、三つのテーマを設定しました。これらの三つのテーマに関連する韓国映画を通じて、韓国現代史および日韓関係を理解していけたらと思います。もちろん、これらのテーマについてそれぞれ1回で扱うことは、イントロダクション的位置づけになってしまうことはご了承ください。
ですので、韓国現代史について、韓国映画について基礎知識がなくても参加可能です。K-POPや韓流ドラマは接してきたが、韓国映画については深く知らず、韓国現代史についてもよくわからないけど関心はある、という方向けの入門的な講座として位置づけます。一歩先の韓国や歴史について、理解と関心が深まればと思います。韓国映画や韓国現代史について、「中上級者」の方においては、この場面でのこの言動のもつ意味とは何かについて、意見交換をするなど、一歩踏み込んだ理解につながるようしたいと思います。

 

<講義内容>

 

④12月20日(金)ポン・ジュノ監督作品を読み解く

2019年カンヌ映画祭パルムドール受賞作『パラサイト 半地下の家族』(原題:寄生虫)の日本公開(2020年1月)を記念して、ポン・ジュノ監督の作品から韓国現代史や韓国社会を学びたいと思います。ポン監督は政治・社会問題をダイレクトに描くよりも、ジャンル映画を形の中に巧みにそれらの要素を埋め込ませています。これらを読み解くことは、ポン・ジュノ映画を真に理解することになり、韓国映画を2倍楽しむことにつながると思います。今回は、まず30年の時を経て真犯人とされる人物が見つかり、再び脚光を浴びている『殺人の追憶』を通じて、80年代の韓国社会を理解します。次に『グエムル―漢江の怪物』の政治・社会コードを読み解きます。グエムルとは一体何を象徴しているのか、意見交換をしたいと思います。最後に、『パラサイト 半地下の家族』を先取りして、その観賞ポイントについて触れつつ、チョ・グック元法相政局との関係性など、映画の社会的インパクトついても解説します。

 

<講師プロフィール>

yongseok

クォン・ヨンソク(権容奭)
一橋大学大学院法学研究科准教授。ポップカルチャーに強い国際政治学者。1970年、韓国・ソウル生まれ。子供の頃から父親の仕事の都合で日韓を行き来し、日韓の境界人として生きている。専門は東アジア国際関係史。
著書に『「韓流」と「日流」――文化から読み解く日韓新時代』(NHKブックス)、訳書に『イ・サンの夢見た世界――正祖の政治と哲学』(上・下、キネマ旬報社)など。

 

<講義日程>

■日時:2019年12月20日(金)19時~21時
■受講料:2500円 ※チェッコリ大学3回券(7000円)も販売中
■定員:25名

⇒ お申込みはココをクリック!

 

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