ユング・エナン氏『はちみつ色のユン』を語る
2012年日本でも公開された映画『はちみつ色のユン』をご存じでしょうか?
家族、肌の色、アイデンティティを問いかけるこの作品の作家であり、映画監督であるユング・エナンさんが来日されるのを記念して、特別トークイベント「ユング・エナン氏『はちみつ色のユン』を語る―韓国で生まれ、国際養子としてベルギーに渡ったユンが私たちに問いかけるものとは?」を開催します。
写真: (c) Stephane Herve
<イベント内容>
家族、肌の色、アイデンティティ・・・。バンド・デシネ(フランス・ベルギーの漫画)作家であり映画監督のユング・エナン氏が、韓国で生まれ、国際養子としてベルギーの家族に迎えられ成長した半生を描いた漫画『はちみつ色のユン』とその映画の作品世界について語ります。
映画『はちみつ色のユン』は、2012年に日本に紹介され、第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した作品です。その後、この映画の原作であるバンド・デシネ(フランス・ベルギーの漫画)も日本語で翻訳出版され、第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査員会推薦作品に選定されました。
ユング氏のトーク後に、原作漫画の日本語版翻訳者である鵜野孝紀氏、映画を日本に紹介した伊藤裕美氏、韓国現代文化の研究者である平田由紀江氏にも登場していただき、さらに深くお話を伺っていきます。
映画『はちみつ色のユン』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=m7uXEmGe7fM
映画の原作漫画『はちみつ色のユン』日本語版紹介ページ
http://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK072
<登壇者プロフィール>
ユング・エナン:Jung(ユング):1965年12月2日、韓国・ソウル出身。71年にベルギーの一家の養子となり、Jung-sik Jun(전정식/ジョン・ジョンシク)からJung Henin(ユング・エナン)に改名。ブリュッセル王立美術アカデミー・イラストレーション学科で学ぶ。ベルギーのバンド・デシネ(漫画)雑誌 「Spirou」や「TinTin」にて小説の挿絵や、カバーイラストなどを担当。日本の文化への造詣が深く、91年、戦後日本の漁村を舞台に漫画『Yasuda』シリーズを発刊。2001年『Kwaidan(怪談)』シリーズ、忍者の子を主人公とした『Kyoteru(キヨテル)』など意欲的に作品づくり に取り組んでいる。
07年に自伝的漫画『Couleur de peau: Miel(はちみつ色のユン)』第1巻を発売。12年にドキュメンタリー監督ローラン・ボアローと共に同作を映画化。その後本作品は日本に紹介され、13年に第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門にて『はちみつ色のユン』が大賞を受賞、15年には原作漫画が第19回文化庁メディア芸 術祭マンガ部門審査員会推薦作品に選出された。
その後も、漫画作家そして映画監督として精力的な活動を続け、韓国人国際養子を取り巻く人々の運命が交錯する新作漫画『Le voyage de Phoenix(不死鳥の旅・仮)』を昨年秋に発刊。本年10月には漫画『はちみつ色のユン』第4巻の発売が予定されている。現在、シングルマ ザーを取り巻く韓国社会をテーマに映画次回作の制作を準備中である。
鵜野孝紀(うのたかのり):翻訳家・日仏漫画コーディネーター。 1995年から2013年まで仏出版社の日本窓口として数多くの日本マンガ翻訳出版業務に携わる。主な訳書に『ガリバリアーナ』(ミロ・マナラ/パイ インターナショナル)他。
伊藤裕美(いとうひろみ):オフィスH(あっしゅ)代表。外資系企業の広報を経て1999年独立。海外アニメーションの配給・権利管理、海外メディア事情の紹介、ビジネス コーディネーションを行う。2012年、『はちみつ色のユン』を日本公開。現在、「WAT 世界のアニメーションシアター」興行やデンマークとの間でアニメーションの国際協働プロジェクトなどを行う。
平田由紀江(ひらたゆきえ):1973年北海道生まれ。日本女子大学人間社会学部現代社会学科准教授。専門は社会学・文化研究。人やモノの移動によって起こる様々な現象に関心を持って研究を続けている。著書に『韓国を消費する日本-韓流、女性、ドラマ』(韓国語、チェクセサン、2005年)、最近の著作に共編著『韓国家族-グローバル化と「伝統文化」のせめぎあいの中で』(亜紀書房、2014年)、訳書『韓国ポップのアルケオロジー』(月曜社、2016年)などがある。
<イベント概要>
■日時:10月27日(木)19:00~20:30
■参加費:1500円(ワンドリンク付き)
■定員:30名
■共催:『はちみつ色のユン』の友達の輪、協力:DU BOOKS