今,ことばにとって大切なことー言語を生きるためにー
また野間秀樹先生にご登場いただくことになりました!
今回も大勢の方にご参加いただけるように、チェッコリを飛び出して、神田古書センター「ほんのまち」にて開催します。
なお、当日野間秀樹先生の著書はもちろん、先生の版画作品の展示販売もいたしますので、
多才な野間先生の作品にもご注目ください。
〈触〉から 野間秀樹 シルクスクリーン版画
<イベント内容>
世界の半分はことばでできている--今日の私たちにとって、これは大いに信じられる比喩である。そうした今日、ことばを考え、ことばを学び、ことばを共にするわたしたちにとって、大切なことは?
ことばは「コミュニケーションの道具」? 「コミュニケーションのツール」?
いや、ことばを何かに奉仕する「道具」に押し留めてはならない。それは危険な罠だ。
ことばは「道具」などではなく、私たちが生きる根幹に係わる、はるかに深い何かである。
「コミュニケーションはことばのキャッチボール」? 甘すぎる、それも嘘だ。
「人は思想をことばで表現する」? いやこれも危ない落とし穴だ。事実は逆だ。
「ことばは意味を持っている」? これこそ根底的な虚妄だ。
ことばが意味とならぬ悲しみを知らずして、言語は語れない、ことばの学びも語れない。
「国家=民族=言語」などという幻想の等式を捨てよう。
私たちは「日本では日本人が日本語を話すのが当然」などと刷り込まれていないか?
「ヘイトスピーチか、表現の自由か」などという二者択一イデオロギーが実はヘイトスピーチを支えていることに気づこう!
今日、〈話される〉〈書かれる〉を問わず、ことばが行われる〈言語場〉は、いわば人類史的な変容を猛烈に遂げつつある。
人類は言語をめぐる全く新しい段階を迎えている。政治や文化、報道や出版、メールやSNSなど、
そして言語教育や言語学習に至るまで、あらゆる言語場において、私たちにはことばへの〈構え〉が求められている。
そうした〈構え〉を、言語の原理論から探る。
<プロフィール>
野間秀樹:言語学者。朝鮮言語学、日韓対照言語学、韓国語教育、言語存在論。
著書に 『日本語とハングル』(文春新書)、『韓国語をいかに学ぶか--日本語話者のために』(平凡社新書)、"한국어 어휘와 문법의 상관구조" (韓国語 語彙と文法の相関構造)(2002年、ソウル:太学社、2003年度大韓民国学術院優秀学術図書)、『ハングルの誕生』(平凡社新書、毎日新聞社とアジア調査会より、2010年度第22回アジア・太平洋賞大賞受賞)、同書の韓国語訳『한글의 탄생』(金珍娥・金奇延・朴守珍共訳、2011年、돌베개〈トルベゲ出版社〉、『東亜日報』、『朝鮮日報』、教保文庫それぞれの〈2011今年の本〉に選定)、『新・至福の朝鮮語』(朝日出版社)、『絶妙のハングル』(日本放送出版協会)など、編著書に『韓国語教育論講座 全4巻』(くろしお出版)、『韓国語学習講座 凜RIN』(大修館書店)、編書に『韓国・朝鮮の知を読む』(クオン:関記念財団より2014年、第12回パピルス賞受賞)、同書の韓国語版『한국의 지를 읽다』(韓国:ウィズダム・ハウス)、共編書に『コスモス朝和辞典』(白水社)など。
2005年大韓民国文化褒章受章。
韓国のハングル学会より、2012年周時経(チュ・シギョン)学術賞受賞。
東京外国語大学大学院教授、国際教養大学客員教授を経て、現在、明治学院大学客員教授、1996-7年にはソウル大学校韓国文化研究所特別研究員。2005年度NHKテレビハングル講座監修、2004-2005年度NHKラジオ講座講師。
リュブリアナ国際版画ビエンナーレ、ブラッドフォード国際版画ビエンナーレなど美術家としての活動も.第13回現代日本美術展佳作賞受賞。
http://www.aurora.dti.ne.jp/~noma/
http://www.noma.tokyo/
https://www.facebook.com/study.korean.noma (facebook 韓国語を学ぶ page)
<イベント概要>
■日時:11月1日(火)19:00~20:30
■参加費:2000円
■定員:50名
■会場:神田古書センター「ほんのまち」
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