翻訳出版について知りたい!3回シリーズ ー韓国の創作童話の翻訳を例に
チェッコリに来店される方にも「書籍翻訳」に興味のある方はたくさんいらっしゃいます。
そこで、今回は3回シリーズで翻訳者の方、出版社の方にお話を伺います。
<イベント内容>
翻訳家をめざす方や、韓国語の本を日本で紹介したい方に向け、実際に出版された本をもとに、翻訳を担当した方と出版社の人を招き、「書籍翻訳」の具体的なお話を伺います。テキストにするのは、「はじめて読むじんぶん童話シリーズ」(彩流社刊)。谷川俊太郎さんも「びっくりしました」というほどユニークな視点のシリーズです。
翻訳者たちのバックグラウンドとともに、大人向けの本や文芸書を訳すときと児童書ではどんなところが違ったのか、コツや悩んだ点を、韓国語の原典と翻訳されたテキストを見ながら伺います。また出版社の側からみた翻訳出版の難しさや翻訳家をめざす方に知っておいてほしいことなどをお話しいただきます。
◎4月15日(金)19:00~20:00
スピーカー;小栗章さん×桑畑優香さん
『シェイクスピアのいる文房具店』を担当した小栗さんと、『トルストイのいる古本屋』を担当した桑畑さんの登場です。
1970年代に韓国語を学ばれた小栗さんは、事前にどんな準備をされて翻訳に望んだのか、また、韓国語教材が今ほどなかった時代、どのように韓国語を独学されたのでしょうか。
またテレビのお仕事や韓国のドラマ・映画を日本に紹介するお仕事もされている桑畑さんからは、韓国語の翻訳を始めたきっかけや、今回の児童書ではどんな部分で悩んだのかなどお話いただきます。
◎5月13日(金)19:00~20:00
スピーカー;古川綾子さん×黒田貴史さん×出口綾子さん
『アリストテレスのいる薬屋』を担当した古川さんと、今回のシリーズを刊行した彩流社の出口さん、フリーの編集者の黒田さんにお話を伺います。
ノンフィクションや文芸の翻訳も含め、多くの韓国語翻訳を手がけている古川さんですが、今回は初の児童書であっただけでなく、哲学用語も頻出する本を担当され、子どもの読者をどのように意識して翻訳にあたったか、難しかった点なども伺います。また、翻訳出版をする際の難しさや翻訳者に知っておいていただきたいことを、出版社の側から出口さん、編集者の立場から黒田さん(元・明石書店編集者)にお伝えいただきます。
◎6月17日(金)19:00~20:00
スピーカー;藤原友代さん×古川綾子さん
『マザー・テレサのいる動物病院』を担当した藤原さんに、古川さんがインタビューする形で伺います。
『ソクラテスのいるサッカー部』は、主人公の少年がシリーズ5冊の主人公の中でもっとも「手に負えない」タイプの子どもでした。この本を担当した崔真碩さんは、元々サッカーが大好きでサッカーをやっていたこともある方ですが、参加できないため事前にお話を伺ったことを出口が代わりにお伝えいたします。
藤原さんは、今回が初めての翻訳本の出版とは思えないほど自然な日本語で訳されました。そのコツとは? 本好きの3人のお嬢さんにはどんな意見を聞いてみたのかなど、藤原さんに語っていただきます。
<スピーカープロフィール>
小栗章(おぐり・あきら):1950年に生まれ、幼稚園から中学校まで東京の郊外でくらしました。高校1-2年を岩手県ですごしたのがきっかけで、70年ごろ韓国語を学びました。20さいのときから、書店、航空会社、翻訳編集会社、日本広報センター(トロント)、国際会議や国際博覧会、アメリカや日本の財団、語学学校などで仕事をしてきました。ミン・カヴァン(1897-1968年)の自伝を翻訳し、その復刻版『大韓帝国最後の皇太子、英親王の婚約者ミン・カヴァン』発行(2014年)に際し、多数の写真を提供し校閲に関わりました。
桑畑優香(くわはた・ゆか):本屋がないいなかで育ち、子どものころはお父さんの本棚にある本を読むのが楽しみでした。大好きだったのは、あこがれていた外国の文化を紹介する本。大学の英文科を卒業後、韓国・ソウルに留学し、現在は韓国のドラマや映画、本を日本に紹介する仕事をしています。
訳書に『12歳で100万円ためました!』『子どもを英語好きにする秘密のメソッド』など。
古川綾子(ふるかわ・あやこ):子どものときから本が大好きで、毎月、1冊ずつ好きな本を買ってもらうことが一番の幸せでした。その本は今もわたしの宝物です。大人になった今は、おとなりの韓国の言葉を日本語にする翻訳という仕事をしています。現在、チェッコリにスタッフとしても参加しています。
訳書に『降りられない船』(クオン)など。
藤原友代(ふじはら・ともよ):北海道に住む、本大好き三姉妹の母です。そして私は、韓国小説が大好きです。ギョッ!とするようなミステリやハラハラするファンタジー、ちょっと不思議な推理小説などを読んでいると幸せです。韓国の本を日本に紹介する仕事のお手伝いをしています。
崔真碩(ちぇじんそく):韓国・ソウルに生まれ、東京の下町で育ちました。朝鮮語と日本語のちゃんぽん、そんな混沌とした言語環境の中で、気がついたら朝鮮語を学んでいました。日本と朝鮮(そして中国、沖縄、台湾)は運命共同体、どうすれば、東アジアのみんなが安寧に暮らしてゆけるのか、日々考え、言葉をつむいでいます。じんぶん学にできること。わたしたち、サラム ひとにできること。ソクラテス監督と共に問い続けたいです。
<イベント概要>
■日時:
第1回 4月15日(金)19:00~20:00
第2回 5月13日(金)19:00~20:00
第3回 6月17日(金)19:00~20:00
■参加費:各回1500円(ワンドリンク付き)
■定員:各回25名