2018チェッコリベストセラー
今年でオープンから4年目に突入したチェッコリ。
翻訳スクールの開講という新しい試みもあり、恒例の「文学で旅する韓国」ツアーは済州島を訪れました。
1年間に開催したイベントは95回を数え、読書会もリニューアル。各曜日の店長にも少し変化がありました。
そんな2018年の最後を締めくくる特集は「チェッコリベストセラー 」。今年は、例年に比べて小説のランクインが増えていますよ。
(※順位はチェッコリのオンライン書店「CHEKCCORI BOOK HOUSE」の売上冊数を元にしています)
◇第1位
『선릉 산책-2016 제16회 황순원문학상 수상작품집』
(宣陵(ソルルン)散策―2016第16回黄順元文学賞受賞作品集) ※版元品切れ
『2017 제8회 젊은작가상 수상작품집』(2017年 第8回若手作家賞受賞作品集)
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『2017 올해의 문제소설 – 현대 문학교수 350명이 뽑은』
(現代文学教授350人が選んだ2017年の問題小説)
ダントツの1位はこの3冊。K-BOOK振興会とクオンが、優秀な新人翻訳家の発掘を目指して開催する「第2回日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」の課題図書です。応募の締め切りは2019年1月31日。選ばれた作品は、「韓国文学ショートショートきむ ふなセレクション」としてクオンから刊行されます。
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◇第2位
『모든 순간이 너였다』(すべての瞬間は君だった)
韓国で6月から放映されたドラマ『キム秘書がなぜそうか?』に登場したエッセイ。10月には日本でも放映が始まり、今また注目を集めています。SHINeeのオニュが読んだ本としてファンの間でも人気です。傷ついた心を慰めてほしい時、だれかの温かい心に触れたい時に読みたい1冊です。
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◇第3位
『나는 나로 살기로 했다』(わたしはわたしで生きることにした)
韓国で100刷、約50万部を売り上げる大人気エッセイ。今年5月には朝日新聞の特別紙面「GLOBE」でも紹介され、BTSのメンバーの愛読書としても話題になりました。「まじめだけれど深刻すぎない」性格だというイラストレーターの著者が、肩の力を抜いて自分らしく生きるコツを伝授してくれます。「疲労社会」といわれる今の韓国を知るのにもぴったりです。
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◇第4位
『韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション01~05』
クオンの新シリーズが堂々の4位に。前から開けば日本語で、後ろから開けば韓国語で読めて、さらにはYouTubeでアナウンサーのイム・チュヒさんやタレントの藤原倫己さんの朗読も楽しめる短編5冊セットです。もちろん1冊ずつのバラ売りも可。韓国語学習者に人気のブロガーhimeさんイチオシのシリーズです。
◇第5位
『일본어 번역 스킬』(日本語翻訳スキル)
毎年ランクインするおなじみの翻訳スキル本です。日韓翻訳のためにつくられた語学書で、韓国語の作文力や会話力を磨くのにも役立ちます。間違いやすい綴りや、「こだわり」「ふれあい」と言った日本語ならではの表現の訳し方、似ているようでちょっと意味の異なる漢字語の使い分けなど、ネイティブらしい自然な翻訳が学べます。韓国語上級レベルから仕事レベルへのスキルアップを目指す方におすすめの1冊です。
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◇第6位
『쇼코의 미소』(ショウコの微笑)
「第1回日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」の課題本だった短編集。韓国で今、最も注目されている若手作家、チェ・ウニョンさんの作品ということもあり、今も売れ続けています。第1回コンクールの入賞者の翻訳で12月に刊行されたばかりの日本語版とあわせてどうぞ。
◇第7位
『나도 손글씨 잘 쓰면 소원이 없겠네』(手書き文字がうまければ、言うことなし)
端正なハングル、かわいいハングル、おしゃれなハングルが書きたい!という人に熱く支持されているのがこちら。文字の基礎からマーカーペンでの書き方、簡単なカリグラフィーまで学べるワークブックです。街で見かけるカードや看板のあの文字にぜひ挑戦してみてください。持ち運びしやすいハンディタイプもあります。
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◇第8位
『82년생 김지영』(82年生まれ、キム・ジヨン)
2016年秋の刊行以来100万部を売り上げ、もはや社会現象ともいえる旋風を巻き起こしている話題作。韓国では映画化が予定されており、ベトナム、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど16か国では翻訳が決定。日本では12月に筑摩書房から翻訳出版されるいなや重版となり、想像を絶する共感を呼んでいる、今、ぜひ読んでおきたい1冊です。日本語版は品切れ中のため、ご予約を承ります。次回の入荷は1月10日の予定です。
◇第9位
『中くらいの友だち―韓くに手帖 第3号』
「韓国との“中くらい”の友情のかたちを探る新しい雑誌」として2017年4月に創刊された同人誌の第3号。第1号は増刷するも完売の人気ぶり。翻訳家の斎藤真理子さん、ライターの伊東順子さん、「浦島ゆうきの日韓出戻り記」でチェッコリでもおなじみのゆうきさんらによる珠玉のエッセイが満載です。最新号の4号もあります。
◇第10位
『교과서 단편소설 읽기(상)―중.고등학생이 꼭 알아야 할』(中高校生が必ず読むべき短編小説<上>)
金東仁の『赤い山』、金裕貞の『ツバキの花』、李孝石の『ソバの花咲くころ』など、韓国の中高校生の教科書に掲載されている作品を集めたシリーズ本。韓国人ならだれでも知っている有名な作品が17編収録されています。似たようなシリーズが多い中で、本書はクロスワードパズルも掲載されているのが特徴。中巻と下巻もあります。
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◇惜しくも次点!
『아홉 살 마음 사전』(九歳の心の辞典)
2017チェッコリベストセラーで10位だったこちら。今年は惜しくも11位でした。9歳の子どもの気持ちを表現する80個の形容詞がかわいらしいイラストつきでわかりやすく紹介されています。シチュエーション別に3つの例文も載っていて、ニュアンスの違いもしっかり学べます。同じシリーズの『아홉 살 함께 사전』(九歳の心の辞典2)もおすすめです。
◇こちらも惜しくも次点!
『少年が来る』
2018年は映画『タクシー運転手―約束は海を越えて』で韓国の民主化運動に対する関心が一気に高まった1年でした。その影響もあって、同じ光州民主化抗争をテーマにしたこの小説が大変注目されました。マン・ブッカー賞受賞作家、ハン・ガンの静かで力強いメッセージが心に迫ってきます。韓国語の原書もあります。