CHEKCCORI通信 Vol.193【2025年も、肉のように噛めば噛むほど味が出る本をたっぷりご紹介します】

※このメールは、チェッコリからお送りしています。

2025.01.23

CHEKCCORI通信 Vol.193 http://www.chekccori.tokyo/


ごあいさつ

気がつけばもう1月も終わりですね。お正月のあと、あっという間に毎日が過ぎてしまって、いったい何をしていたのか、あまり記憶にない気がします。

そんな中、印象的だったのは、母校の100年史をめくっていて「고기는 씹을수록 맛이 난다 그리고 책도 읽을수록 맛이 난다(肉は噛むほど味が出る そして書物も読むほど味が出る)」という、世宗のあの有名な言葉に出会ったことです。

2025年も読めば読むほど味が出る本を選びに選んで紹介していきたいと思いますので、どうぞご期待ください。

(しみず)

お知らせ

「ありがとう、韓国語学習ジャーナルhana」企画実施中

長らく韓国語学習者の心強い支えとなってきた『韓国語学習ジャーナルhana』が、このたび休刊となりました。この10年間への感謝を込めて、vol.54の特集「K-BOOK基本ガイド」に掲載されている本たちを一挙、展示・販売しています。

関連イベントはこちら

第8回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」応募締切迫る

第8回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」の締切は1月末です。翻訳デビューの夢が叶うチャンスをどうぞお見逃しなく。

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ソルラル(旧正月)に伴う発送の遅延について

韓国の旧正月連休(1月25日から2月2日まで)に伴い、ご注文書籍の入荷、発送に通常より時間がかかる見込みです。どうぞご了承ください。

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営業時間の変更について

店内でのイベント開催のため、下記のとおり営業時間を変更いたします。ご来店の際、お間違えのないようお願いいたします。

1月30日(木)12時~18時
1月31日(金)12時~18時
2月6日(木)12時~18時
2月7日(金)12時~18時

イベント情報


1月30日(木)19:00~20:00
【店内+オンライン】『映画に導かれて暮らす韓国』刊行記念イベント―前田エマさんが韓国暮らしの先輩成川彩さんに聞く理想と現実

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1月31日(金)19:00~20:00
【店内+オンライン】ささきの部屋Vol.36-韓流エンタメのプロ・野田智代さんに聞く「韓流と私」を残すことの意義とは?

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2月6日(木)19:00~20:30
【店内+オンライン】『도쿄 킷사텐 여행(東京喫茶店旅行)』の著者が語る―芸術家たちに愛された東京の喫茶店文化

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2月7日(金)19:00~20:30
【店内+オンライン】これだけは知っておきたい! K-BOOK基本ガイド 〜何から読めばいいのか分からない方や、流行の全体像を知りたい方に向けて〜

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クオンのおすすめ

韓国語学習をゆっくりがんばりたい方へ

今年、初めて韓国語学習にチャレンジする、あるいは久しぶりに再開してみたいという目標をお持ちの方。クオンの学習書『ひとりでゆっくり韓国語入門』をおすすめします。

第1部の「ハングルの文字と発音」では、文字の仕組みと発音方法を丁寧に説明し、第2部の「文法と会話」では、使用頻度の高い会話文やたくさんの例文・練習問題を紹介しています。クオンのサイトから音声データ(MP3ファイル)を無料でダウンロードできるため、インプットした知識を耳でも聞いて、実際に基本的な会話までできるよう構成されています。

理解を促す一言メモ、ジャンルごとの単語、練習問題、加えて、かわいらしいイラストや韓国について知れるミニコラムも豊富。無理なく、楽しみながら韓国語を学べます。学習者の視点で作られた、痒いところに手が届く1冊。今年はじっくりと、自分のペースで韓国語を身につけませんか。

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外国語学習のモチベーションを上げたいなら

アメリカ・ミシガン州出身のロバート・ファウザーさんは、16歳の夏に東京近郊でホームステイしたことをきっかけに、外国語学習の扉を開きます。大学でスペイン語を学び、再び日本語に触れ、さらには韓国語やドイツ語にも関心を広げていきます。

『僕はなぜ一生外国語を学ぶのか』は、人生をさまざまな外国語とともに歩いてきたファウザーさんによるエッセイ。外国語学習の楽しみ、苦労、ジレンマ、そこから生まれた自分なりのノウハウや考えがたっぷり綴られています。

・「昨日の自分」が現れて「今日の自分」を助けてくれる
・新しい発音を練習して直接音を出すと、また別の自分と出会ったような気がする
・「頑張るぞ!」と気負いすぎてしまうより、自信を持って気楽にやろうという気持ちが、外国語学習を長続きさせる秘訣
・やりがいを感じるために避けるべきことがある。他の人との比較だ
・外国語に接する望ましい態度、遊びのように友達のように趣味のように
・コツコツ続けるためには、できるだけ日常の中に引き込むこと
(いずれも本書より)

なんだか「やってみようかな」という気持ちになりませんか? 韓国語がなかなか上達しなくて悩んでいるという方はぜひお手に取ってみてください。

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店長のおすすめ本


★店主きむ★おすすめのインタビュー集

『최후의 사전 편찬자들(最後の辞典編纂者たち)』

赤瀬川原平さんの『新解さんの謎』を読んであまりにも面白かったので、韓国の辞書を作った人たちの話が読みたくなって探してみた。本書は、紙の辞書がウェブ上に移行し始めた2000年代初めからネイバー、ダウムなどで約15年間、ウェブ辞書の基本的なシステムを構築してきた著者が、辞書の出版社の相次ぐ廃業によって姿を消した辞書編纂者たちにインタビューしたもの。つまり、ウェブ辞書と紙の辞書の作り手による対話がまとめられており、時代的、社会的背景にともなう互いの立場の違いが明確に表れている。基本的にハングルの正書法と標準語の規定を遵守すべきだという紙の辞書の編纂者に対し、ウェブ辞書の編纂者である著者は「今日の辞書編纂は、数多くの例文を集めたコーパスの中から語彙と例文をどれだけうまく抽出して記載するかが重要だ」という。最後に収録されている、『世界大百科事典』(平凡社)に関わった龍沢武さんの日本の辞書の歴史に関する話も興味深い。

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★山口店長★おすすめのエッセイ

『사랑이 부족해서 변명만 늘었다(愛が足りなくて言い訳だけが増えた)』

作家パク・ヒョンジュンの2冊目のエッセイです。インスタグラムで綴っていた日記などを集めたもので、日々の生活の中で起こったちょっとした出来事や、そこから彼が感じたことがまとめられています。以前「좋은생각」誌上にコンテスト受賞作として掲載されたことがあるエッセイも一編収録されており、一つ一つが短めできちんとした文体で書かれているので韓国語を学習している方にも読みやすいと思います。実は、彼はもともとミュージシャンで、店長山口の〈推し〉でもあります! 前回メルマガ「CHEKCCORI通信」vol.191のミニコラムで、10年前に〈推し〉から本を譲ってもらったという話を書いたのですが、それがまさに彼のことで、なんと今回のエッセイには、当時私にくれた本に関する話も登場しています(私の名前も出ていました!ぜひ探してみてくださいね)。

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★かな店長★おすすめの人文書

『아주 일상적인 철학(とても日常的な哲学)』

考え方のクセは人それぞれだ。同じ出来事に直面したときに、前向きに気持ちを切り替える人もいれば、いつまでも気になってしまう人もいる。起こった出来事が変わらないならば、前向きに考えられた方がいい。それは誰しもわかっていることだ。 では、どうしたら前向きな考え方ができるようになるのだろうか。その答えを大学で20年以上哲学を講義してきた著者が教えてくれる。本書は概念・深化・実践の三段階に分かれている。概念編では自身を苦しめる考え方について解説し、深化編では賢明な思考をどう身につけるかが語られる。実践編では日常の中で悩みを抱えやすいシーンをQ&A方式で具体的に紹介する。哲学的思考を身につけることで、心を悩ませる状況の捉え方を変え、平穏な日常を手に入れられる本だ。

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ミニコラム

<店長かなの、日韓ミックスから見た韓国>

#3 日韓ミックスの両親の馴れ初め

父が韓国人、母が日本人の日韓ミックス、かなです。今では日韓夫婦や日韓カップルは珍しくない気がしますが、父と母が結婚したのは50年ほど前のこと。その頃、日韓夫婦はだいぶ少なかったのではないでしょうか。そこで今回は、私が大人になってから聞いた父と母の出会いについて書いてみたいと思います。

父は慶尚南道の釜山(プサン)近辺の田舎の出身で、30歳くらいまで韓国で教師として働いた後、社会人留学生として日本の大学院に留学しました。日本に来たのは1970年代なので、いわゆるニューカマーといわれます。一方、母は長崎県で生まれ育ち、長崎の看護学校に通っていました。東京で留学生として生活する父と、長崎で生まれ育った母の接点はありません。

そんな二人が出会ったのは、母が友達と東京観光に来た時に興味本位でパチンコ屋さんに遊びに行ったときのことでした。パチンコ屋でアルバイトをしていた父が、母に一目惚れをしたのだそうです。そこから文通が始まって、遠距離の交際に発展します。

やがて母は、就職先として神奈川県の病院から内定をもらいました。そして、実家で神奈川行きの準備をしていたとき、母の両親に私の父と交際していることを知られてしまいます。今でこそ、韓流やK-POPなどをキッカケにして韓国に好意的な印象をもつ人が増えていますが、当時は韓国に対する偏見をもつ人がまだまだ多い時代でした。

戦前生まれの母の父は韓国人との交際に大反対でした。しかも父は母より12歳も年上だったのでなおさらです。「神奈川の病院に就職したら付き合いが続くだろう。だから行かせない」と祖父は言い、勝手に病院に連絡をして内定を断ってしまったそうです。

しかし、母はすでに自分の荷物を父のアパートに送っていました。「このまま就職もできず、家に閉じ込められたら自分の人生はどうなるんだろう」と思った母は、財布だけを持って実家を飛び出して、父のところに向かったそうです。いわば駆け落ちのような状態。実家とは絶縁状態になりました。

その後、2人は結婚して姉が産まれました。その2年後に次女である私が産まれた頃に、神奈川に住んでいた母の弟が結婚することになります。その結婚式に出るために長崎から出てきた両親と母は久しぶりに再会。子供が2人生まれていることも知り、そこでようやく実家との絶縁が解けたのだそうです。

聞いた時には、なかなかドラマチックな展開に驚きました。父と母が偶然パチンコ屋で出会わなければ、私は存在していないわけです。人の縁というのは不思議なものだと思います。

(かな)

発行:CHEKCCORI(チェッコリ)
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