【久しぶりのワークショップ開催! ハングルカリグラフィーでオリジナル雑貨づくりに挑戦しませんか?】―CHEKCCORI通信 Vol.195
CHEKCCORI通信 Vol.195 http://www.chekccori.tokyo/
ごあいさつ
Netflixの新作ドラマ『トラウマコード』はもうご覧になりましたか? 救急医療の最前線で重傷患者の命を救うことにひたすら力を注ぐ破天荒な医師たちの姿が、緊張感をもって描かれています。
原作はウェブ小説『重症外傷センター ゴールデンアワー』。同タイトルでコミカライズされているので、ドラマの次は漫画で楽しむのもいいかもしれませんね。
https://chekccori-bookhouse.com/surl/P/17264
その主人公のモデルとなっているのが現役医師のイ・クッチョンさん。クオンインタビューシリーズ03『韓国の今を映す、12人の輝く瞬間』に彼のロングインタビューが掲載されています。さらにリアルな韓国の医療現場を知りたい方はぜひ読んでみてください。
https://chekccori-bookhouse.com/surl/P/17278
お知らせ
店舗営業日・営業時間変更のお知らせ
4月1日(火)より、店舗営業日と営業時間を変更いたします。火曜日は一般営業ではなく、韓国関連のレッスンや勉強会などのための店舗レンタルデーとなります。
詳細はこちらイベント開催日はさらに営業時間が変わります
店内でのイベント開催のため、下記のとおり営業時間を変更いたします。ご来店の際、お間違えのないようお願いいたします。
3月28日(金)12時~18時
4月10日(木)12時~18時
4月12日(土)13時~19時
4月16日(水)12時~18時
イベント情報
3月28日(金)19:00~20:30
【店内+オンライン】『美人まで1000段』刊行記念トークイベント 金井真弓×桑畑優香 「ソウルで米国人女性が体感した『韓流美』のパワー」
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4月10日(木)19:00~20:30
【店内+オンライン】『나, 블루칼라 여자(私、ブルーカラーの女)』著者来日トーク! -韓国と日本の女性・労働の今を考える
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4月12日(土)11:00~12:30
【店内開催】お部屋のアクセントやプレゼントに! ハングルカリグラフィーワークショップ
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4月16日(水)19:00~20:30
【店内+オンライン】著者キム・スムと一緒に『沖縄 スパイ』を通じて東アジアを横断する国家暴力の悲劇、その先の奇跡のような「連帯」を考える
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4月17日(木)19:00~20:30
【オンライン】『青い落ち葉』出版記念トークイベント ― 韓国の「脱北民」と「脱北小説」
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4月22日(火)19:00~20:30
【オンライン】「⽇本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」を語る会―第7回課題作『偶像の涙』編
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5月20日(火)19:00~20:30
【オンライン】「⽇本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」を語る会―第7回課題作『夏にあたしたちが食べるもの』編
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クオンのおすすめ
ヤン ヨンヒ監督の書き下ろしエッセイ『カメラを止めて書きます』
一貫して自身の家族をカメラに収め、『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』『スープとイデオロギー』という<家族ドキュメンタリー三部作>を制作した映画監督、ヤン ヨンヒさんによる書き下ろしエッセイ。
各作品のビハインドストーリー、家族を撮り続ける過程でふくらんだ思いが、率直な語り口で綴られています。また、「帰国事業」や「済州四・三」など、在日コリアンと深く関わりのある歴史についても触れられています。
ヤン一家という小さな家族の物語でありながら、日本と朝鮮半島が歩んできた道、<家族>、そして<わたし>という存在を見つめるきっかけを与えてくれる本書。カラー写真が豊富で適宜注釈もあり、<家族ドキュメンタリー三部作>を鑑賞していなくても楽しめます。
CHEKCCORI BOOK HOUSEで購入するセウォル号沈没事故を風化させないために
2014年4月16日に発生したセウォル号沈没事故。修学旅行中の高校生を含む300人余りの尊い命が犠牲になり、韓国社会に大きなトラウマを残しました。それは単に事故の規模だけの問題ではなく、国家の脆弱かつ無責任な危機管理システムが露呈したためでした。
このような惨事がどうして起こったのか。被害を少しでも食い止めることはできなかったのか——。そうした問題意識から書かれたのが、ノンフィクション『降りられない船 セウォル号沈没事故からみた韓国』です。
経済学者である著者は、セウォル号沈没事故が“起こるしかなかった”韓国の悪しき社会システムを、各分野の専門家の協力も得ながらあぶりだしていきます。同時に、社会そのものを「降りられない船」に喩え、市民が守られるためには何を教訓にしなければならないのかを説きます。
「セウォル号沈没事故の基本にあるのは、現代世界が抱えているさまざまな矛盾と、解決が不可能な課題の数々で、ある国に起きた一つの不幸な事故にとどまらない、地球大の問題だと思います。一人でも多くの日本の読者に読んでほしい本です」(詩人・谷川俊太郎さん推薦文より)
セウォル号沈没事故からもうすぐ丸11年が経ちますが、今でも多くの方に読んでいただきたい一冊です。
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店長のおすすめ本
★店主きむ★おすすめのエッセイ
『멍게의 맛 – 두 딸을 키우며 생각한 것들(ホヤの味 – 二人の娘を育てながら考えたこと)』
時事週刊誌の記者が結婚する男性を父親に紹介する場面から始まり、娘を二人産んで育てながら書いた11年間の日記が本になりました。韓国現代社会の流れが、幼い娘たちとの会話、夫との会話から見て取れます。そして何より子どもたちがどんどん、しっかりと自分の考えを言い、伝えるシーンが良かったです。こうやって私も育ったのかと想像しながら読みました。間違いだらけの文法だけれど真心がたっぷり伝わる娘二人の日記と手紙を、どうぞゆっくり味わいながら読んでください。子育ての本でもありますが、生きる力をくれる不思議な本です。
★山口店長★おすすめのYA小説
『장난기(遊び心)』
SF短編小説「ルナ」で2022年韓国科学文学賞中短編部門大賞を受賞し登壇した作家、ソ・ユンビンさんによるティーンエイジャー向けSF。それぞれのお話には、悩みを持つ青少年たちが登場します。彼らが憂鬱な気持ちで歩いていると、路地で怪しく光る不思議な自動販売機を見つけます。機械の中にはトッケビたちの世界があって、そのへんてこな自動販売機からは青少年たちの悩みを解決するのにぴったりな道具が出てきます。昔話の中でも、トッケビたちがくれる道具は善良な人が使えばいい結果をもたらし、欲深い人が使うと悪い結果をもたらしてきました。塩吹き臼、望んだものがどんどん出てくる箱、かぶると姿を消せる帽子……そんな昔話にも出てくるような不思議な道具をもし現代の若者が手に入れたとしたら、を描いています。不思議な世界を味わってみてください。
★かな店長★おすすめのエッセイ
『어쩌다 강남역 분식집(ひょんなことから、江南駅の粉食店)』
大企業で活躍していた女性が出産と育児によってキャリアが途切れ、10年後にまた働こうと思っても思うような仕事が見つからないという、きびしい現実にぶつかります。そして、ひょんなことから江南駅の軽食堂で働くことに。「なんで、このお店のキンパはこんなに高いの?」とお客さんに文句を言われたり、美容整形帰りのお客さんが来たりと、毎日予期せぬ出来事が起こります。そんな紆余曲折がありながらも仕事を一つひとつ学んで、飲食業の一員になる様子が描かれたエッセイです。
ミニコラム
<しみずの凸凹翻訳記>
♯7 早春は腰痛と共に去りぬ?
この2か月のあいだ、ほとんど引きこもり状態だった。ほとんど寝たきりといっても過言ではない(いや、ちょっと言い過ぎかな)。
とにかく、始まりは2月2日だった。朝、ベッドの上で目が覚めると腰に違和感を覚え、あ、何かいやな予感がするぞと思いながらうつ伏せになった途端、強烈な「魔女の一撃」が私の腰を襲った。ちなみに、韓国語でぎっくり腰は、医学用語だと요추염좌(腰椎ねん挫)があるが、허리를 삐끗하다(腰をひねった)と文章化するのが一般的らしい。
何とかベッドから這い出したものの、まともな歩行は不可能だった。座っているのも立っているのもつらい。それでも、寝ているのが一番ましだったが、一度横になってしまうと今度は起き上がるのが大変だ。ふーっと深呼吸しながらそろりと体を横に転がし、床に手をつき、四つ足で這い這いして椅子やらテーブルやらにつかまってからよろよろと立ち上がる。一代の冒険だから、一度立ったらトイレも水分補給も栄養補給もまとめて済ませなければならない。歩くたびに、体の向きを変えるたびに二度目、三度目の一撃を食らい、ああ、私はこのまま寝たきりになるのかという絶望感に包まれた。
痛みのせいでほとんど眠れずに迎えた翌日、想像していたとおり、症状は悪化していた。高校生の時、バスケのクラブ活動中に足首をねん挫した時も、朝起きてみたら歩けないほど痛くて試合を休んだことがある。「強情なあの子が自分から休むって言うんだから、よっぽど痛いんだね」と言い放った母親のひと言が一瞬頭をよぎった。
わらにもすがる思いで家にあった鎮痛剤を飲み、病院へ行くことにした。家から歩いて10分の距離だが、とても歩けそうにない。一般タクシーの、あの後ろに沈む後部座席に座っているのも無理そうだ。いろいろ調べたあげく、ストレッチャーが装備されている介護タクシーを呼んだ。すると、タクシーが来る頃には鎮痛剤が少し効いてきた。普通のタクシーで行けそうな気もし、ストレッチャーで行くのは恥ずかしいなという妙な余裕が生じてくる。とはいえ、今さらキャンセルするのも気が引けるし、仕方なく、生まれて初めてのストレッチャー搬送を体験することに。寝そべって見る近所の風景は新鮮だった。
「痛く……ないですか」と慄きながら打ってもらったブロック注射は思った以上に効果があり、帰りは、生まれたてのバンビ(?)みたいではあったものの、何とか歩いて帰れた。以来、炊事も洗濯も掃除も、すべて家人に頼りきりだったが、痛みは少しずつマシになり、家の中での日常生活は何とかできるようになっていった。
だから、一週間後の経過診察で勧められた追加のブロック注射は断った。注射の力を借りなくても回復できると、これまた妙な自信がわいていた。それでも、楽しみにしていた済州島旅行はキャンセルした。どうしても、キャリーバッグを引いてあちこち移動する勇気はわいてこなかった。
魔女の一撃から18日経過した2月20日、そろそろ外出してもいいかなと思い、友人と食事に出かけた。おいしいサムギョプサルを食べながらビールも少し飲み、なぜかその勢いで友人に勧められるままにスクワットをした。1、2、3――。翌朝、再び起き上がれなくなった。明確な魔女の一撃はなかったけれど、ただ起き上がれなかった。
今度は最初から鎮痛剤を飲み、痛みを少し緩和させてから一般タクシーで病院に向かった。2度目、3度目のブロック注射を経て腰の方は再度快方に向かっていった。すると今度は、花粉症が私を攻撃する。泣きっ面に蜂とはまさにこのことだ。
3月半ば、久しぶりに外出した翌日にのどが腫れはじめ、38度を超える高熱がこれでもかと私を追い込んだ。のどの痛みは、水を飲むのもつらいほどの人生最大級だ。腰痛に花粉症に高熱。もしこの状況が翻訳文だとしたら、「泣きっ面に蜂」という言葉を繰り返し使うのは野暮だなと思って「弱り目に祟り目」を採用することにした。「踏んだり蹴ったり」もありだろう。ちなみに、韓国語で「泣きっ面に蜂」は「설상가상」(雪の上に霜が下りる)とか、엎친 데 덮친 격(転んだところに覆いかぶさる)などという。
数日後、朝起きるとネバネバの目やにが固まって目も開かなくなり、どうやら何らかのウイルスか細菌にやられたようだった。ずっと家に引きこもっていたから免疫力が落ちていたのかもしれないし、激しい寒暖差や春の憂うつさのせいかもしれない。
いや、それより何より、仕事が遅れているというストレス、書かなきゃと思っている原稿が進まないこと(これは、あくまで自分の能力不足によるものだけれど)が最大の原因かもという推論に至った。ああ、原稿が先か、健康が先か。そんなことを考えているうちに腰痛も、高熱も、のどの痛みもだんだん薄れ、2025年の早春が去っていった。
発行:CHEKCCORI(チェッコリ)
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