CHEKCCORI通信 Vol.197【みんな大好き!「ハン・ガンと尹東柱の文学世界」へと一緒に深く分け入ってみませんか】

※このメールは、チェッコリからお送りしています。

2025.05.29

CHEKCCORI通信 Vol.197 http://www.chekccori.tokyo/


ごあいさつ

今年もソウル国際図書展 (6月18日~22日)が迫ってきました。図書展の楽しみは数多くのブースを回って本を買い漁ること、出店者のみなさんと会話することなどさまざまだと思いますが、何と言っても作家さんたちの生の声が聞けるブックトークが最大の楽しみではないでしょうか。

ペク・ヒナ(絵本作家)、ソン・ウォンピョン(小説家)、キム・エラン(小説家)、チャン・ガンミョン(小説家)、ヨジョ(ミュージシャン、エッセイスト)、パク・ジュン(詩人)、チャン・リュジン(小説家)、キム・ホヨン(小説家)、ユン・ソンヒ(小説家)、アン・ドヒョン(詩人)、ユ・ヒョンジュン(建築家)ら、私たちがよく知っている作家さんが大勢登場する予定です。

私のように惜しくも今回は会場まで行けない方も、図書展のサイトを隅から隅まで見て回れば最新のトレンドがつかめてわくわくしてきますよ。
https://sibf.or.kr/

(しみず)

お知らせ

映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』公開記念タイアップ企画 パネル展&ブックフェア開催

映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』公開記念!「사랑(サラン=愛)、사람(サラム=人)」というキーワードで特別パネル展&ブックフェアを開催します。愛や葛藤、多様な「愛のかたち」を本と映画で深く味わいませんか?

詳細はこちら

営業時間の変更について

店内でのイベント開催のため、下記のとおり営業時間を変更いたします。ご来店の際、お間違えのないようお願いいたします。

6月6日(金)12時~18時
6月14日(土)11時~16時
6月28日(土)12時30分~19時

イベント情報


6月5日(木)19:00~20:00
【オンライン】ささきの部屋Vol.37-ウェブトゥーン翻訳者・こむたんさんに「翻訳」そして韓国語の「発音」の極め方を聞く

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6月6日(金)19:00~20:00
【店内開催】#kbookらじお 150回記念公開収録―真夜中の読書会・バタやんさんを迎えて―(参加費無料) ※定員に達したため募集終了しました

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6月10日(火)19:00~20:30
【店内開催】詩人シン・ミナと学ぼう! 現代詩翻訳ワークショップ① ※定員に達したため募集終了しました

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6月14日(土)17:00~19:00
【店内+オンライン】韓国の文芸評論家2人が語る「ハン・ガンと尹東柱の文学世界をたどるひととき」

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6月17日(火)19:00~20:30
【店内開催】詩人シン・ミナと学ぼう! 現代詩翻訳ワークショップ② ※定員に達したため募集終了しました

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6月25日(水)19:00~20:30
【店内開催】チェッコリ読書クラブ:テーマ本は『大都会の愛し方』(パク・サンヨン 著、オ・ヨンア 訳)

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6月28日(土)11:00~12:00
【店内+オンライン】ささきの部屋Vol.38-韓国料理研究家・結城奈佳さんに聞く、福岡⇒韓国、福岡⇒東京とチャレンジして見えたものとは?

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クオンのおすすめ

ついに完成! クオンの新たなブックガイド

前回の「CHEKCCORI通信」でご紹介した新刊『韓国と本に詳しい45人が “今、どうしても薦めたい本”を選んでみました』がついに完成いたしました!

—以下、いずれも本書より抜粋—

「どんなに時間が経ってもこの本の価値が色あせることはないだろう。難解だが、これほどクリエイティブな難解さは一生浴び続けても良いと思う。読むたびに頭も身体も更新されるように感じる。ディアスポラ文学の最高峰と思う」(斎藤真理子さん)

「『韓国』とか 『アジア』と聞くと、わけもなく楽しい気分がする。なぜだろう、いつからだろうと考えながら自室の本棚を眺めていて、あ、これを読んだ影響は大きかったかもしれない、と久しぶりに抜きだした」(石橋毅史さん)

「『母国語は酒国語』と言ってのけるほど酒好きの作家が、ソジュ(韓国焼酎)に合う肴にまつわる思い出を語りながら、自らの生き様などを綴ったエッセイだ」(大窪千登勢さん)

「ハン・ガンに限らず、韓国文学には、作家が社会の問題と向き合い創作する伝統があるように思う。社会の声なき声をすくいとることが文芸の役目だ、という真面目さを感じる」(木村紀代さん)

かわいらしいイラストが添えられ、表紙には箔押しも施されています。手に取りやすいサイズで、価格はお求めやすい1650円(税込)。ご好評により、CHEKCCORI BOOK HOUSEでの送料無料キャンペーンは5月末まで実施しています。ぜひこの機会にご注文ください。

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「セレクション 韓・詩」シリーズに新たな作品が加わります

韓国語で紡がれた同時代の詩のことばを贈るシリーズ「セレクション 韓・詩」。ハン・ガンさんの「引き出しに夕方をしまっておいた」から始まり、オ・ウンさん、キム・ソヨンさん、パク・ジュンさん、チャン・ソクさんなど、世代も雰囲気も異なる多彩な作家たちの詩を紹介してきました。

6月末には、また新たな作品が仲間入り。タイトルは『アン・ドヒョン詩選集 あさみどりの引っ越し日』です。

アン・ドヒョンさんは1961年生まれの詩人。1981年に大邱毎日新聞の新春文芸、1984年に東亜日報の新春文芸に詩が入選し、詩壇デビューしました。以降、精力的に創作活動をされ、日本でも『幸せのねむる川』(青春出版社)、『氷蟬』(書肆青樹社)、『小さく、低く、ゆっくりと』(書肆侃侃房)、『詩人 白石―寄る辺なく気高くさみしく』(新泉社)などが邦訳出版されています。

『アン・ドヒョン詩選集 あさみどりの引っ越し日』は、アン・ドヒョンさんが手掛けた574篇の詩の中から66篇を選び、詩人が時代とどのように呼応してきたかわかるよう、年代ごとに章立てして構成した日本オリジナルの詩選集となります。

「詩と向き合って必死にあがきながら生きてきた。小さな取るに足らないものたちのほうに立たせてほしいと哀願し、分断された韓半島(朝鮮半島)に癒やしをもたらす言葉がほしいと切望した。ロマンティシズムの心でリアリズムの技法に従おうとしてきた。二十歳で詩人になり、できるかぎり具体的な言葉、軽々しくない、潤いとぬくもりのある言葉、新しくて驚くべき発見に満ちた言葉を探すため、あてどなく歩き回った。こうした役に立たないことに携わってこられたのだから、まことに幸せだと思う。この詩選集によって初めて日本語になった私の言葉の数々が、日本のどこかの古い畳の部屋にもなじんでゆくことだろう」(詩人の言葉より)

こちらも期間限定の送料無料サービスがあります。ぜひ、広く手に取っていただきたい1冊です。

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店長のおすすめ本


★きむ店主★おすすめの短編集

『두 사람의 인터내셔널』

韓国にも若くてすばらしい男性作家がいる!キム・ギテさんの登場を、思わず大きな声で自慢したくなります。2022年の新春文芸でデビューした40歳。2024年5月に刊行された全9編のこの短編集は、小説好きの間でじわじわと話題になり、読む人に温かさと幸せを届けています。どの話も大きな出来事や激しい対立があるわけではないけれど、ユーモアとウィットが効いていて心をくすぐられます。派手な韓国ドラマというよりは、優しくてじんわり心にしみる日本のドラマみたいな印象です。中でも私が好きなのは、表題作の「두 사람의 인터내셔널」。いわゆる「貧しい若者の恋愛物語」として読むこともできますが、主人公の二人はそれぞれの現実をしっかり生きていて、未来を想像する力も持ちながら、ほかの若者たちと同じように日々の暮らしを楽しんでいます。それでもやはり現実は厳しく、「私たちは貧しい。でも、貧しい人間にはならないように頑張っている」という二人。この一言に、この物語のすべてが詰まっているような気がします。読んでいる間はクスッと笑える場面も多いのに、読み終わるとなぜか胸がぎゅっと締めつけられる。静かな悲しみが体にしみ込んでくるようでした。

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★ジヨン店長★おすすめのエッセイ

『너무 오래 오타쿠로 살아서(あまりにも長くオタクとして生きてきて)』

SNSで16万人のフォロワーを魅了してきたスンディさんが、オタク文化の喜怒哀楽を描き出した一冊。推しに心を捧げ、笑ったり泣いたりした経験があるなら、この本に出会った瞬間、「これ、私のことだ!」と思わず頷いてしまうでしょう。オタク活動が生む感情の波や、その「好き」という気持ちが人生をどう輝かせるのかを軽快でユーモラスな筆致で表現しています。さらに、軽視されがちなファン活動やオタクの本音にフォーカスし、それを新しい視点で明るく照らし出します。推しへの情熱が私たちの日常をどう変え、何を与えてくれるのかを丁寧に描き出したこの物語で、心の奥に眠るオタク魂が目を覚ますかもしれません。読後には、忘れかけていた「好き」のエネルギーがふつふつと湧き上がり、きっと何かに再び夢中になりたくなるはず。スンディさんと一緒に、もう一度自分の中のオタク魂を再発見する旅に出かけてみませんか?

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ミニコラム

<スタッフさわだの、子どもと韓国書籍の間で>

#7 言葉で遊ぶ

文章を書くときに決めていることが一つある。「思っていないことは書かない」だ。このコラムを書く時はもちろん、たまに自分のSNSに短い投稿をする時も、気をつけている。思ってもいないなら当然書きもしないだろう、と思われるかもしれないが、言葉で空間を埋めようとすると、よく聞く言い回しを多用したり、他人の文章に引っ張られたりすることが、私にはある。無意識に流行りの言葉で済ませそうになることも。そういった言葉は、私の耳や目を通ったというだけで、実際には頭や心は通過すらしていないことが多い。書きながら違和感があると手を一瞬止めて、「この言葉は私の思考や経験から出てきたんだっけ?」と再度噛み砕いて、書き直す。

この作業をせず流れるように書いた文章を読み直すと、自分の署名の横に並ぶ、表面だけうまく繕った言葉の並びに恥ずかしくなることがある。「私、こんなふうに思ったことあったっけ?」と。

人の心に残る文章、完成度が高い文章を書けるならぜひ書きたいけれど、私にはまだ容易ではない。それでも何かを書き残すのなら、せめて自分に正直な文章にしたい。自分で思い、納得して書くことが、今の私ができる精一杯の執筆活動だ。

なぜこんな話をしているのか。いつも通り今回のコラムには何を書こうかと悩んだことが発端だ。「書店のコラム」というアイデンティティを全面に出すには、子育てを理由にほぼ在宅で仕事をしている私には、自分の言葉で生き生きとした文章を書けるだけの経験が足りなかった。子育ての中で今読んでいる韓国の絵本の話という案も、しっくりこなかった。どちらも、テーマに合わせて借り物の言葉で空白を埋めてしまいそうだった。それならば、自分から出てくる言葉で、なんでも良いから書いてみようと思った。すると思いがけず楽しくなり、言葉で遊びたくなった。きれいにまとまらなくても、おそらく誰も責めはしない。読んでくれるのは言葉が好きな人たちだから。

言葉はいつも「学ぶ」ものだった。言葉で遊び、楽しむ経験が、私にどれくらいあっただろうか? 言葉を大切にする人たちがつくる安心の枠の中で、今目の前にある情景、感情を自由に書いてみよう。そんな気持ちで下の文章を書いた。

このメルマガを読むあなたも、きっと言葉がいつもそばにある人。読書で味わい蓄えた言葉で、今度は一度遊んでみてはどうでしょう。日本語でも、韓国語でも。自己満足でも。書き終えたら、ぜひ私にも読ませてくださいね。

こぼす、
垂らす、
転ぶ、
叩きつける、
確かめる。
この世界にきて1年と2ヶ月が経った人間の、全力の生命活動。

駆け出す、
見つめる、
抗う、
寝そべる、
踊る。
この世界にきて4年と3ヶ月が経った人間の、真剣な自己表現。

急かす、
叱る、
追いかける、
拭き取る、
抱き上げる。
この世界にきて38年と1ヶ月が経ってもいまだ必死な人間の、毎日の全身運動。

書いてみる、
読もうとする、
つぶやく、
伸び悩む、
諦める、
起き上がる、
들린다,
전해진다.
言葉を学ぶ人間が、時に荒れる波のように、時に乱れる呼吸のように、繰り返し続ける苦悩と喜び。

(さわだ)

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