CHEKCCORI通信 Vol.122 【2021年も店長のおすすめ本をお楽しみに!】


2021.1.25

CHEKCCORI通信 Vol.122

http://www.chekccori.tokyo/

ごあいさつ

先週末は久しぶりに東京にもザーザー降りの雨が降りましたね。
韓国では、雨の日には多くの人がプチムゲ(チヂミ)をよく食べます。
実際に雨の日のプチムゲの材料の売り上げが50%以上上がったというスーパーがあるくらいです。
理由は何でしょうか?

プチムゲを作る際の音が雨の音と似ているからという説と、
日照時間が短くなるとセロトニンの分泌が低下するそうですが、
材料の一つ、小麦粉がその分泌を増やし憂鬱になりやすい雨の日の気分を
ほぐしてくれるという説などがあります。
体が欲しがる、または好きな食べ物で体力をつけ元気に過ごしたいこのごろです。

自由に動けない時期ではありますが、
チェッコリを通じ自分好みの面白い本を見つけてみるのはいかがでしょうか?
(火・水店長 の)

お知らせ

【第5回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」課題作発表】

http://k-book.org/transcompe/5thhonyaku/
今回も短編2作品に挑戦していただきます。
まずは課題作を手に入れることから始めてみましょう。
お得な2冊セットはコチラから→ http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/2040

また第5回から韓国文学翻訳院が支援する世界各国のコンクールスケジュールと
同じスケジュールになりました。
 応募締切 :2021年7月末
 選考期間 :2021年8月~9月まで
 結果発表 :2021年11月 ホームページ等にて発表
 授賞式  :2021年11月中
 受賞作刊行:2021年12月末

店長のおすすめ

きむ店主おすすめのエッセイ

『해보지 않으면 알 수 없어서』(やってみないと分からないから)

ドキュメンタリー映画監督イギル・ボラのエッセイ。
ろう者の両親(イ・サングクさんとギル・ギョンヒさん)とCODA(Children of Deaf Adults)である
アイデンティティーを持つ著者が、オランダに留学しながら感じた経験をもとに文化の違い、
考え方の違い、相手をリスペクトする姿勢、自分の夢について語っています。
大学時代の卒業作品だったドキュメンタリー映画『きらめく拍手の音 』は、ろう者の両親を描いた作品で
山形国際ドキュメンタリー映画祭にも招待されました。
この映画の話は書籍化され、日本語版『きらめく拍手の音 手で話す人々とともに生きる』(リトルモア刊)はチェッコリでも販売中。
マルチアーティスト、イ・ランさんとのブックコンサートの動画
https://www.youtube.com/watch?reload=9&v=xFsoR_EMQI0)もおすすめです。手話の通訳あり。
CHEKCCORI BOOK HOUSE で購入する

しみず店長おすすめの小説

『벗』(友)

北朝鮮を代表する作家、ペン・ナムリョンが1988年に発表した長編(中編)小説。
工場労働者だった主人公のチェ・スニは、歌の実力を認められて芸術団に入る。
歌手としてのさらなる活躍を夢見るが、夫婦仲が悪く、結婚生活が足かせとなって離婚訴訟を起こす。
訴訟の過程を通じて、北朝鮮の愛と結婚、離婚の過程が生々しく描かれていてベストセラーとなり、2001年に北朝鮮でドラマ化もされた。
2020年にはアメリカの図書館雑誌『ライブラリー・ジャーナル』が毎年発表する「ベストブックス」に選ばれ、再び注目を集めている。
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ぱく店長おすすめのコミック

『극락왕생 1』(極楽往生 1)

とある地下鉄の駅には雨の降る日に悪鬼が出没するらしい。
それに気づいた地獄の護法師トミョンは退治に向かう。
使命通り悪鬼を引っ張っていこうとしたとき、菩薩様が現れその悪鬼=パク・チャオンに
もう一度極楽往生へのチャンスを与え、それをトミョンに手伝えというのだ。
チャオンは過去の記憶のないまま、2011年に遡り、高校三年生として再び生きることになるのだが……。
チョン・セランも推している、2020年10月発売当時から話題のコミック。
2021年には2巻も発売され、さらに話題になること間違いなし!
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の店長おすすめの学習書

『선생님도 헷갈리는 맞춤법 띄어쓰기』(先生もこんがらがる正書法と分かち書き)

この本は韓国語の正しい正書法と分かち書きが分かる学習漫画です。
個性的なキャラクターが登場し間違えやすい単語や表現について面白く説明してくれます。
韓国語は分かち書きを間違っただけでまったく違う意味になる場合があるため、
分かち書きはとても重要と言えます。
イラストと図表を交えた分かち書きの用例も多く載っています。
また、関連のある正書法ごとに分けられているので覚えやすいです。
ドゥウム法則(두음법칙)はもちろん、ネイティブもこんがらがるサイシオッ(사이시옷)の
正しい使い方までが説明されています。
語彙力の向上にも役立つので、韓国語の学習者ならぜひ一度手に取ってほしい一冊です。
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ささき店長おすすめの日本語で読めるイラストエッセイ

『頑張りすぎずに、気楽に』

2019年に刊行以来、日本国内でも45万部の大ヒットとなった
『私は私のままで生きることにした』のキム・スヒョン作家の2作目の邦訳です。
人間関係の距離感がまた少し難しくなった今だからこそ、
処方箋のような一言一言が、余計に心に沁みてきます。
 「あなたのスタートのために、時間をかけよう。
  人生はためらっているにはあまりにも短く、
  焦るほどには短くない。」
私の胸に残った一文です。
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ミニコラム

コミック界のあらたな動き

韓国の漫画といえば、ウェブ上で無料で読めるウェブトゥーンがかなり前から浸透していますね。
もちろん紙媒体のものしかなかった時代もありますが、
いまや漫画を読む人の中ではウェブトゥーンが主流のようで、
紙の雑誌はマニアが読むものとなっているそうです。
しかし、最近あらたな動きが出ているようなのです。

その代表が、「딜리헙 」(https://dillyhub.com/)というプラットフォーム。
このディリーハブは、作家が連載周期を決めて、販売価格も決めるというもの。
店長のおすすめでも紹介した『극락왕생』の作家コサリ博士は、
某有名ウェブトゥーンで掲載を断られた末、発表の場としてこのディリーハブに辿りついたとか。
コマ割りなどがいわゆる紙の雑誌に近く(一コマずつの縦描きではない)、
10ページ前後では終われない話の流れは、確かに典型的なウェブトゥーンでは見られなかった作品です。
個人的には今後は編集という視点からも何かしらの変革が起こることを期待しますが、
読者のためのウェブトゥーンではなし得なかった、作家のためのこうした動きにも注目したいと思います。
(土曜店長  ぱく)

イベント情報

1月26日 (火) 20:00 – 21:00
【オンライン】クオン読書クラブ―第1回『仕事の喜びと哀しみ』

クオンの本について読者の皆さんと語り合う時間を持ちたいと、
2021年は新たに「クオン読書クラブ」を発足します。
クオンから刊行される本をぜひ一緒に楽しんでください。
記念すべき第1回は『仕事の喜びと哀しみ』(チャン・リュジン著、牧野美加訳)です。
翻訳者である牧野美加さんに釜山からご参加いただき、作品の魅力に迫ります。
2020年「書店員が選ぶ今年の本」小説部門に輝いた話題作を早速日本語で楽しみましょう。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=741

1月28日 (木) 20:00 – 21:30
【オンライン】ささきの部屋vol4~HANAのとんそく子さんこと浅見綾子さんに聞く、忙しい人の韓国語勉強法~

宣伝広報担当のささきがゲストをお招きしてお話を伺う「ささきの部屋」の第4回のゲストに、
韓国語学習者に絶大なる人気を誇る韓国語ジャーナルhanaの編集長、
とんそく子さんこと、浅見綾子さんをお招きします。、
編集長になって1年あまり、そのお仕事話に加えて、普段韓国語をどんな風に勉強しているのかや、
ハン検合格までの道のりなども詳しく語っていただきます。
※現在見逃し配信チケットのみ販売中!
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=738

1月29日 (金) 20:00 – 21:00
【オンライン】チェッコリ映画クラブ―第6回『KCIA 南山の部長たち』

2021年も話題作の公開が続く韓国映画から、新年1回目、通算6回目となるチェッコリ映画クラブでは、『KCIA 南山(ナムサン)の部長たち』についてみんなで語り合います。
ゲストに映画の公式パンフレットのコラムや字幕監修を手掛けられた
明治学院大学名誉教授の秋月望先生をお招きし、より深く映画の世界についてのお話も伺います。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=739

◆2月19日 (金) 20:00 – 21:30
【オンライン】『チュ二の夢ものがたり―色糸で描く』刊行記念イベント~刺繍作家金春姫さん、戸田郁子さんとともに

仁川で出版社「土香」を営む翻訳家で作家の戸田郁子さんから、
新年早々に新しく編集された刺繍作家金春姫さんの本を紹介いただきました。
その作品の美しさに本当に惚れ惚れし、ぜひこの本も多くの方にご紹介したいと編集を担当された戸田さんと作家ご本人にお話を伺うことにしました。
トークに加えて、作品制作の一部を再現していただこうと、準備を進めています。
※イベント参加券+書籍をお申込みの場合、書籍が約1000円お安くなります
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=744

2月25日 (木) 20:00 – 21:00
【オンライン】ささきの部屋vol5~声のプロ八木田幸恵さんに聞く、音声ガイドディスクライバーとは?~

宣伝広報担当のささきがゲストをお招きしてお話を伺う「ささきの部屋」の第5回のゲストに、
フリーナレーターで、「音声ガイドディスクライバー」の八木田幸恵さんをお招きします。
声のプロだった八木田さんが持病の喘息の悪化を機に、新しい道としてチャレンジしたのが「音声ガイドディスクライバー」。
私たちもまだまだよく知らない「音声ガイドディスクライバー」について、
そして八木田さんご自身のこれまでの思い、これからについてじっくりお話をうかがいます。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=743

おしまいに

久しぶりの週一回の店長業務にまだ慣れず、足腰ガクガクですが、
やはりいろんな本に触れる時間はいいものですね。
表紙の記憶だけで置き場所を探し出すセンサーも錆びついているので、起動、起動!
(宣伝広報担当 ささき)

発行:CHEKCCORI(チェッコリ)
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