CHEKCCORI通信 Vol.42 【「もっと知りたい!ハングルの魅力と世宗大王」特集号】

  
 
あっという間に秋の気配が漂ってきました。
 秋はイベントシーズンで、チェッコリも大忙しの時期を迎えます。
先週末(9/23、24)は、日比谷公園で行われた「日韓交流おまつり」に
 出店し、本当にたくさんの方にお越しいただきました。
 どうもありがとうございました。
そして11月には「神保町ブックフェスティバル」と、
 2回目の開催となる「文学で旅する韓国―光州・麗水編」も。
そんなイベント続きの今日この頃ですが、
 最近、私が一つ成長したことがあります。
 韓国語の短編小説をみごとに一篇読み終わったことです。
 それも辞書を引かずに、ただただストーリーを追って、
 小説を楽しむ、ということができたのです。
万年中級者の私でも韓国語で小説が読めた!
 この感動は本当に大きく、初級・中級者でも楽しめる
 「韓国語で短編小説を読む会(仮)」を構想中です。
近々、詳細を発表しますので、どうぞお楽しみに。
(水、木曜店長 ささき)
 
CHEKCCORI BOOK HOUSE
 http://shop.chekccori.tokyo/
  
 
◆◇ クオンからのお知らせ ◇◆
 
■2017年日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール開催
韓国の優れた文学作品を紹介している株式会社クオンと
 韓国の本に関する様々な情報を発信しているK-BOOK振興会では、
 優秀な新人翻訳家の発掘を目指して翻訳コンクールを開催します。
選考は第一線で活躍されている作家・翻訳家によって行われ、
 受賞作品はクオンから刊行します。
 今ますます注目を浴びている韓国文学。
 その魅力を、翻訳を通じて伝えてみませんか?
 
 
◆◇ 店長のおすすめ ◇◆
 
■きむ店主おすすめの短編集
 『야만과 신화』(野蛮と神話)
今秋のツアー「文学で旅する韓国―光州・麗水」でお世話になる
 ハン・スンウォンさんの作品集です。
 デビュー50年を記念して自ら選んだ13作品が収録されています。
 ハンさんの故郷、全羅道の土俗的な匂いがする作品ばかりですが、
 中でもエロティックな「낙지같은 여자」(手長ダコみたいな女)が
 気に入っています。家のお手伝いをしてくれた幼なじみとの甘い恋、
 そして親の残酷なまでの反対による別れ……
 韓国ドラマによくあるパターンの展開が。
 そうそう、この短編はKBSのベストセラー劇場の原作でもあるのです。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/862
■ぱく店長おすすめの詩集
 『시 읽는 밤―시 밤』(詩を読む夜―詩 夜)
チェッコリに来てくれた韓国の若者に、いま人気のある作家さんは?と聞くと、
 必ずハ・サンウクさんの名前が挙がります。
 クスッと笑って、ニヤリとして、時にグッとくる彼の言葉にハマる人が多いとか。
 本はあまり読まない、飽きやすいという方も、これなら一冊読み切れます。
 大きな声では言えませんが、一篇が数行なので、トイレに置いて読むに丁度いいのです。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/262
■ふる店長おすすめの小説
 『기사단장 죽이기』(騎士団長殺し)
村上春樹さんの新作『騎士団長殺し』の韓国語版です。
 日本での発売からわずか5ヵ月(!)で韓国語版が発売になりました。
 あわせて1,000ページを超える分量を、こんなに短期間でどうやって翻訳したのでしょう……。
 韓国では今も売上げベスト10に入る人気ぶりです。
 イデアの独特なしゃべり方を韓国語ではどう表現したのかなど、
 日本語版と読み比べてみてはいかがでしょうか。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/805
■しみず店長おすすめのエッセイ
 『여자의 독서』(女の読書)
ソウル大学工学部800人の同期のうち唯一の女性であり、元国会議員であり、
 マサチューセッツ工科大学で博士号を取得した建築家のキム・ジネのエッセイ。
 「息子」「長男」が大事にされる韓国社会で育った彼女が幼いころから考え続けてきた
 「女性とは何か」というテーマについて、自尊心、夢、性、連帯感、男性性と女性性といった
 側面から思考を深め、勇気を得るのに役立った本の数々について綴っている。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/850
◆◇「もっと知りたい!ハングルの魅力と世宗大王」特集 ◇◆
10月9日は「ハングルの日」。世宗大王が1446年に自ら創製した訓民正音(ハングル)を
 公布した日です。韓国はこの日祝日となり、街中ではさまざまな関連イベントが開かれます。
 その1つ、ソウルの東大門デザインプラザで開催中の「訓民正音・乱中日記」展で見つけた本をはじめ、
 ハングルの魅力や世宗大王の偉業と素顔に触れる本を集めてみました。
 http://www.chekccori.tokyo/special/1710
■『太白山脈』『アリラン』などの大河小説で知られる
 作家・趙廷来が、世宗大王の一生とハングル創製について
 わかりやすくまとめた児童書です。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/858
■訓民正音の研究一筋の著者が、訓民正音創製の背景や
 過程はもちろん、長年の訓民正音に対する誤解や疑問を
 明快に解き明かしてくれます。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/852
■韓国でも大人気の漫画で学ぶ歴史シリーズ。
 キャラクターのヨン先生と子どもたちがタイムトリップし、
 訓民正音の創製の現場に立ち会いながら、理解を深めていきます。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/864
■イ・サンウによる長編小説。新聞記者出身の著者らしく、
 163巻にも及ぶ朝鮮王朝実録などを丹念に調べ、世宗の人間性を
 繊細に描きあげています。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/855
■韓国の国宝第70号であり、現在はソウルにある澗松(カンソン)
 美術館に所蔵されている『訓民正音解例本』はどんな本なのか、
 どのようにして作られたのかに迫ります。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/854
■チェッコリで人気のパッチムのない絵本シリーズ。
 パッチムなしでも物語が作れてしまうなんて!
 ハングルの柔軟性に思わず感服の1冊です。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/653
■朝鮮時代の風景画に登場するかわいらしい動物と一緒に
 ハングルの母音を一文字ずつ学べる絵本。
 声に出して読むことで、正しい発音も自然と身につくかも。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/851
■ハングル書体デザインの第一人者で、日本にもゆかりの深い
 故チェ・ジョンホ氏の仕事ぶりをまとめたデザイン本。書籍化する
 まで未公開だったフォントの原図も収められている。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/860
■焼酎のチャミスルのロゴやドラマ『未生』の題字などで
 知られる書芸家カン・ビョンイン氏のカリグラフィー作品集。
 各ページに添えられたエッセイもすてきです。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/796
■女性書芸家のチェ・ルシアさんが指南する
 百日間でかっこいいハングルが書けるようになる本。一日一語ずつ、
 時には、筆を割りばしや綿棒に変えて書く楽しさもあります。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/859
 
◆◇ ミニコラム ◇◆
 
<読書はリレーだ>
先日、韓国文化院で行われた読書会に参加しました。
 今回の課題作は、映画監督のイ・チャンドンさんが1990年に書いた短編
 『男の中の男』(吉川凪訳、トランスビュー刊)。
 1987年の民主化闘争に関わった一般市民と知識人の立ち位置を描いた作品です。
話者のモノローグで話が展開していくちょっと静かなトーンの作品ですが、
 映画監督の作品ということもあり、配役を想像しながら映画のように
 楽しく読んだという方もいました。
 また、これを読んで他の作品も読みたくなったという人や、
 魯迅の『阿Q正伝』を思い出して再読したという人も。
今回、モデレーターを務めてくれた映画監督、そして小説家でもある西川美和さんの言葉ですが
 「読書はリレーである」。
確かに本を読んでいると、その本が他の本を紹介してくれることが多いですね。
 『男の中の男』が私にあらためて読み直すことを勧めてくれた本は『韓国・朝鮮の知を読む』(クオン刊)。
 私が作った本ですが、韓国と日本の知識人140人が韓国に
 関する本を紹介したガイドブックです。
西川美和さんはこの中で『男の中の男』について書いています。
『韓国・朝鮮の知を読む』の詳細はこちら
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/67
(店主 きむ)
  
 
◆◇ まだ間に合うイベント情報 ◇◆
 
◆9月28日(木)19:00~20:00
 金承福と一緒に韓国文学を楽しもう!
第3回の今回は「人気作家をとことん学ぶ①ハン・ガン」として、
 いま注目のハン・ガンさんの魅力と作風についてとことん話します。
 
イベント メイン
◆10月13日(金)19:00~20:00
 国際結婚23年目にして思うこと。
済州島出身で『일본남자여도 괜찮아(日本人の男でも大丈夫)』の著書が
 ある梁恩心(ヤン・ウンシム)さんに、国際結婚のエピソードの数々をうかがいます。
 
イベント メイン
 
__おしまいに__________________________
チェッコリは今後、雑貨販売やイベント開催などで国立ハングル博物館と
 協力していく予定です。手始めに、国立ハングル博物館のミュージアムショップで
 扱っている雑貨を店頭販売中。ぜひ一度のぞいてみてくださいね。
 (金、土店長 しみず)
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