CHEKCCORI通信 Vol.70 【「新作から定番まで」絵本特集】

  
 
聞こえぬふりをしていた師走の足音ですが、そろそろその姿が
 見えはじめてきました。
仕事も飲み会もイベントも、と盛りだくさんのラストスパートになるかと
 思いますが、そんな時ほどホッと一息リセットする時間を。
 イラストの多いエッセイ本や、詩集、絵本なら、多少わからない単語が
 出てきても、雰囲気でわかってしまうものが多いです。
調べなきゃ!という強迫観念から解放されつつ、短い時間でもゆっくり
 韓国の本を楽しむのが、年末を乗り切る秘訣(팁)かもしれませんね。
(土曜店長 ぱく)
 
CHEKCCORI BOOK HOUSE
 http://shop.chekccori.tokyo/
  
 

◆◇ 店長のおすすめ ◇◆

 
■きむ店主おすすめのエッセイ
 『최초의 집―열 네명이 기억하는 첫 번째 집의 기억
 (最初の家―14名が記憶している初めての家の風景)』
父親が作った家で生まれ、大学で建築を学び、建築・設計の仕事に
 就いた著者が、14人それぞれの家の記憶(最初の住居に関する記憶) を
 インタビューして書いた本。家の図面、家の周りのスケッチもあります。
 家でどれぐらいの時間を過ごしたのか、家でもっとも好きなところ、
 家にお客さんを招くのかなどを通して、家との関係を見せてくれる
 面白い本です。14人のインタビュイーは、1957年生まれの自営業
 (ソウル近郊)、1983年生まれのデザイナー(統営)、1977年生まれの
 ダンサー(ソウル)、1987年生まれの写真家(ソウル)、1982年生まれの
 バリスタ(ソウル)、1984年生まれの薬剤師(釜山)、1977年生まれの建築専門の
 写真家(釜山)、1985年生まれの会社員(浦項)、1984年生まれの教師
 (ソウル)、1987年生まれの塾の数学講師 (昌原)、1989年生まれの
 ビデオグラファー(ソウル)、1985年生まれのグラフィックデザイナー(ソウル)、
 1989年生まれのデザイナー(ソウル)。彼らの物語がずっしり詰まった作品です。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1228
■ぱく店長おすすめの芸術書
 『신사임당 갤러리 (申師任堂ギャラリー)』
韓国で一番有名な女性、申師任堂がギャラリーシリーズに登場。
 申師任堂は16世紀の女性画家で、お札や教科書にものるほど、
 韓国の誰もが知っています。イ・ヨンエさん主演のドラマで、
 日本でも知っている方が増えたのではないでしょうか。
 申師任堂の人物像はもちろんのこと、彼女が描いた絵から、
 その絵の魅力、時代背景などをイラスト満載で分かりやすく解説。
 これより前に出た『シン・ユンボク ギャラリー』同様、
 時代劇ドラマの副読本としても手元に置いておきたいシリーズです。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1207
■しみず店長おすすめの写真集
 『망향 1세(望郷1世)』
在日2世の写真家、許南英による写真集。
 中国・延辺朝鮮族自治州、日本、サハリンに暮らす
 同胞1世50人のポートレートが掲載されています。
 服装や部屋の内装、街や山の景色、そして人々の表情から、
 それぞれの地に根差して生きてきた同胞1世の苦労がうかがえます。
 今年で創立30周年を迎えた写真専門出版社「눈빛(まなざし)」による
 写真家選集の最新作(No. 058)で、눈빛は、
 『隣人。38度線の北』『隣人、それから。: 38度線の北 』(徳間書店)の
 2冊を合わせた韓国版を刊行した出版社でもあります。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1227
■ふる店長おすすめの人文書
 『第7号 日本語で読みたい韓国の本―おすすめ50選』
韓国書籍に興味を持ってくれる読者や出版社を増やしていけば、
 日本語に翻訳される韓国の本も自ずと増えていくのでは……。
 そんな思いを持つたくさんの方々と一緒に、韓国の本に関する
 さまざまな情報を紹介するガイドブックを毎年1冊ずつ製作し、
 お披露目を兼ねた説明会を開催してきました。
 いつの間にか第7号となった今回も、話題の小説や人文書、絵本、
 エッセイ、コミックなど、秀作を50冊まとめて紹介しています。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1221
  
 

◆◇ 「新作から定番まで」絵本特集 ◇◆

 
学習書ではあまり見かけない日常表現や言葉使いに触れることができたり、
 音読や発音の練習にも使えたりと大活躍の絵本。
 今年のクリスマスプレゼントに韓国の絵本はいかがでしょうか。
 http://www.chekccori.tokyo/special/1812
■野菜村のみんなは、豆腐にも豆乳にも変身できるカッコいいお豆さんが
 うらやましくて仕方ありません。食べ物の名前や料理名を覚えながら、色鮮やかな絵が楽しめます。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1225
■『괜찮아 (だいじょうぶ)』の作者、チェ・スッキさんによる新作です。
 悲しみや苦しみに共感できる心を育んでほしいと願う、作者の想いが込められています。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1214
■宇宙の小さな星が経験する出会いと別れ、挫折と思い出がテーマの作品です。
 作者のイ・ジョクさんは、韓国の国民的シンガーソングライターです。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1226
■韓国初の女性洋画家の生い立ちや作品、芸術面での成果などを、
 写真や解説とともに追うことのできる貴重な一冊です。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1224
■木枯らしに震える煮干し、味噌、豆腐、ネギが、ぽかぽかの温泉でのびのび寛いでいたら……。
 ぐつぐつ、ぶるぶるといったオノマトペの勉強にも役立ちます。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/612
■一度も水を噴き出したことのない噴水の横で遊んでいた男の子の前に現れたものは……。
 絵だけで物語が進むので、読んだ人の数だけ想像力がふくらみます。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/799
■世界中で大きな問題となっている、プラスチックごみの環境問題を描いた絵本です。
 日本語版はポプラ社から刊行されています。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/667
■トナカイとサンタハラボジ(サンタのおじいさん)の会話を楽しんだり、
 日本語版と読み比べたり、クリスマスプレゼントとして贈ったり。
 さまざまな方法で活用できます。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/534
  
 

◆◇ ミニコラム ◇◆

 
<ソウルで見た新しい出版社の姿>
今回のソウル出張で訪ねた大学路近くに位置する
 コミュニケーションブックスという出版社。
 自社の本をすべて自社ビルで制作しています。
 PODシステムで印刷・製本をしていて、主力商品の
 韓国近代短編シリーズは作品ごとに、オーディオブックを
 自社スタジオで録音していました。ちょうど11月から
 始まった世界名作シリーズの朗読現場ものぞくことができました。
社長の狙いは家庭内のAIスピーカーに、オーディオブックの
 コンテンツをいれることだそうです。ページをめくる読書スタイルの
 拡張という枠を超え、出版市場の拡大に真剣に取り組んでいる姿が
 とても新鮮でした。
(店主 きむ)
  
 

◆◇ まだ間に合うイベント情報 ◇◆

 
◆2018年12月4日(火)19:00~20:00
 みんなで語る文旅報告会―済州島を巡って
3回目となった「文学で旅する韓国(略して文旅)」は済州島に行ってきました。
 10月22日(月)~25日(木)という平日の3泊4日の旅にも関わらず、
 総勢20名の旅となりました。参加いただいたみなさんの写真やおすすめの
 観光スポットはもちろん、旅に欠かせない食の情報などもお話いたします。
 
イベント メイン
◆2018年12月15日(土)12:00~13:00
 ネモさんに聞く、インスタグラムで叶った一つの夢のお話
「インスタグラムで情報発信中なんです」「何か韓国に関わる仕事したい」と
 話されていたネモさんが、ついに1冊の本『진짜 도쿄 맛집을 알려줄게요』を
 出版されました。しかも韓国で! インスタグラムの活用法から出版に至るまでの
 経緯など、じっくりお話を伺ってみましょう。
 
イベント メイン
◆2018年12月21日(金)19:00~20:00
 K-POPトーク~2018年のゆるふわ総括
某CDショップでK-POPを担当していた長澤香奈さんと、K-POPライター
 尹秀姫さんによるK-POPトーク。
 3回目となる今回のテーマは、「2018年K-POPゆるふわ総括」です。
 「データから見る2018年のK-POPまとめ」に加え、
 2人の個人的なK-POPトピックまで、この1年の総括をご紹介します。
 
イベント メイン
◆2018年12月22日(土)12:00~13:00
 山下英愛先生のドラマから見る韓国社会―①韓国ドラマの面白さ
3回にわけて「ドラマから見る韓国社会」についてお話いただきます。
 第1回は【韓国ドラマの面白さ~「妻の資格」を中心に】です。
 第2回は【「魔女の法廷」と韓国の#MeToo運動】、
 第3回は【ドラマでみる北朝鮮の人々】を予定しています。
 
イベント メイン
__おしまいに__________________________
月末のメルマガでお届けしている本の特集記事。
 毎月のテーマをみんなで決めて、本探しと記事の作成は土曜店長のしみず、
 火曜店長のふるが交代で行ってきましたが、来年に向け、
 「こんなテーマで本を紹介して欲しい」「こんなジャンルの本が知りたい」など、
 皆さんのリクエストにお応えしたいと思っています。
 リクエストはchekccori@gmail.comまでお寄せください。お待ちしております。
(火曜店長 ふる)
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