CHEKCCORI通信 Vol.74 【ハン・ガンも尹東柱も! もっと知りたい“詩人の国”特集】

  
 
インフルエンザが猛威を奮っておりますが、
 みなさま体調はいかがでしょうか。
メルマガ初登場の野原です。
 もともとバリスタと韓国餅研究家として活動しているのですが、
 縁あって、昨年10月から、金曜店長として
 チェッコリのメンバーに仲間入りしました。
韓国書籍は料理本、漫画、絵本などはよく読みますが(笑)、
 K文学の知識も広げていきたいと思っておりますので、
 どうぞよろしくお願いいたします。
 これから、チェッコリのドリンク・スイーツ担当としても力を入れていきますので、
 美味しい韓国餅や韓国菓子にも注目してくださいね♪
(金曜店長 野原)
  
 

◆◇ 店長のおすすめ ◇◆

 
■きむ店主おすすめの小説
 『기타 부기 셔플(ギター・ブギ・シャッフル)』
1960年代から米軍基地(米8軍)などで活躍していた
 ロックバンドグループの成長が痛々しく描かれている。
 戦争後の貧しい生活の中でも、食べていくためだけではなく
 好きなことを諦めないでコツコツ続けていく主人公を応援しながら読める。
 当時、韓国の若者の間でどんなロックやジャズが流行っていたかがわかる作品でもある。
 2017年(第5回)秀林文学賞受賞作品。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1251
■ささき店長おすすめの雑誌
 『中くらいの友だち Vol.4』
韓国を語らい、味わい、楽しむ人気の雑誌
 『中くらいの友だち』第4号は、
 韓国のノレバン事情に思わず笑いがこぼれ、
 我が子を軍隊に送りだした日本人母たちの思いに涙する。
 韓国の人々との“中くらい”な関係が心地よく胸に迫ってくる、
 そんな一冊です。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1231
■ぱく店長おすすめのエッセイ
 『매일 갑니다, 편의점(いつも行きますコンビニへ)』
韓国でもすでに日常の一部となっているコンビニですが、
 リアルにコンビニの店主として6年も働く著者の、
 カウンター越しの観察記録。
 ベンチに座っている人たちですら脳内で陳列し直す職業病、
 毎日来る気になる(変な)お客さん、
 イチゴサンドで感じる季節など、
 知ってるようで知らない韓国のコンビニ風景がここに!
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1244
■リナ店長おすすめのエッセイ
 『퇴근길엔 카프카를(退勤時にはカフカを) 』
絵で楽しむ世界文学。
 シンプルで愛らしい絵で知られるウェブ漫画家
 “의외의사실(意外な事実)”さんによる
 「日常が旅行になるパスポート漫画」です。
 シェイクスピアからカズオイシグロ、そして村上春樹まで、
 誰でも一度は目にしたことのある有名な文学作品を
 名場面などを通してコミカルに紹介しています。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1249
■しみず店長おすすめの絵本
 『힐링 썰매(おじいさんのそり遊び)』
朝鮮王朝時代、第16代国王の仁祖のとき、
 形曹(法務省)の長官を務めていたおじいさんが
 友人たちと一緒に凍った漢江でそり遊びをしました。
 おじいさんは、初めての経験にわくわく、どきどき。
 自然に触れることで心の病気もすっかり治ります。
 文人でもあるおじいさんがその時の経験を綴った
 「노호승설마기(露湖乗雪馬記)」を
 子どもにもわかりやすい物語に仕立てています。
 水墨画のような味わいのある絵も魅力です。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1242
  
 

◆◇ 「ハン・ガンも尹東柱も! もっと知りたい“詩人の国”」特集 ◇◆

 
最近、熱い注目を集めている韓国小説ですが、
 「詩的な文章が魅力的」という声がよく聞かれます。
 2月16日の尹東柱(ユン・ドンジュ)の命日も近づいてきたことですし、
 ベストセラーから最近人気の若手詩人の作品まで、多彩にそろえてみました。
 尹東柱の詩集は初入荷のものもありますよ。
■邦訳が次々と出版され、いまもっとも注目されている小説家、ハン・ガンの詩集です。
 小説と共通する透明感のある文体に引かれます。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/886
■ドラマ『남자 친구(ボーイフレンド)』でパク・ボゴムがソン・ヘギョに贈ったことで話題に。
 ナ・テジュの作品のうち、SNSなどでよく紹介される人気の詩が収録されています。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1236
■こちらも、『남자 친구』に登場。2012年の刊行以来、10万部を売り上げている、
 詩集としては驚きのベストセラーです。著者のパク・ジュンさんは1983年生まれの若い詩人です。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1247
■シンガソングライターとして活躍しながら、SNSで詩を発信しつづける詩人ハ・サンウクさんの3年ぶりの新刊。
 「元気だして」――そんな言葉さえつらい日にどうぞ。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1243
■尹東柱生誕100周年を記念して2017年に刊行された全詩集。
 106篇の詩に加えて5篇のエッセイも収録されていて、尹東柱の魅力を余すところなく味わえます。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1245
■もっと尹東柱を知りたい方は、2018年10月に発売されたこちらのDVDもあわせてご覧ください。
 尹東柱の短くて濃密な生涯がモノクロ映像で淡々と、丁寧に描かれています。
 http://www.chekccori.tokyo/order
■お客さんに教えてもらって入荷した柳致環(ユ・チファン)の詩集。
 「愛することは愛されるよりも幸せだ」という節で有名な『행복(幸福)』など49篇を収録しています。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1248
■著者は文化体育観光部長官のト・ジョンファンさん。
 「大衆詩人」として知られる彼の作品は、わかりやすく心に響いてきます。
 韓国の詩を初めて読むという方にもおすすめです。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/172
■ト・ジョンファンさんの詩を日本語で読むならこちら。貧しかった幼いころのこと、
 亡くなった妻への思い、教師としての教え子に対する気持ちなどが率直に綴られています。
 http://www.chekccori.tokyo/order
■処女詩集『二十億光年の孤独』から2015年まで、谷川俊太郎さんが
 半世紀以上にわたって書き続けてきた詩とエッセイが楽しめます。ソウルの独立書店でも人気です。
 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/462
  
 

◆◇ ミニコラム ◇◆

 
<物語は人間の希望>
昨年、優秀な新人翻訳家の発掘を目指して開催された
 第1回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」。
 応募数が200点を超えるという結果に、改めて韓国文学や
 翻訳という仕事に対する関心の高まりを実感しました。
第1回コンクール課題作『ショウコの微笑』の邦訳は、
 受賞者による翻訳で昨年末にクオンから刊行されました。
 1月30日(水)には著者のチェ・ウニョンさんと温又柔さんの
 トークイベントも予定されており、わたしも再び読み進めて
 いるところです。
⇒イベント詳細はこちらから
 https://shoko.peatix.com/view
翻訳の仕事をしていると毎日たくさんの本に出会いますが、
 「何を伝えたいのか」「日本でも売れそうか」といった具合に、
 どうしても出版を念頭に置いた読み方をしてしまいます。
実は新年早々、時間がないけど読まなきゃいけない本を
 横目にイライラしていたのですが、一緒に本を作っている
 編集者の方から届いたメールの「物語というのは、人間の
 希望だと思っている」という一文に、ハッと我に返りました。
 物語の持つ希望やメッセージを読者に届ける。これこそ、
 翻訳という仕事の魅力であり、醍醐味ではないでしょうか。
昨年に続き、今年も第2回「日本語で読みたい韓国の本
 翻訳コンクール」を開催しています。
 応募締切まで、残すところ1週間となりました。
⇒コンクール詳細はこちらから
 http://www.cuon.jp/info/587
思うように訳せないと悩んでいる方、今回は諦めようかと
 迷っている方もいると思います。でも、あと1週間あります。
 「物語の希望」を一緒に伝えていきましょう。
 皆さんの応募をお待ちしております。
(臨時店長 ふる)
  
 

◆◇ まだ間に合うイベント情報 ◇◆

 
◆2019年1月29日(火)19:00~20:30
 『ショウコの微笑』の著者チェ・ウニョンさんを囲んで
時代背景も舞台も多彩な7つの短編が収められた『ショウコの微笑』。
 12月に刊行した待望の邦訳には、早くもたくさんの方々から熱い感想をいただいています。
 著者のチェ・ウニョンさんと一緒に、作品の魅力について語ってみませんか?
 
イベント メイン
◆2019年2月2日(土)12:00~13:00
 小此木政夫先生の「朝鮮分断(1)─38度線設定の地政学」
NHKの朝の情報番組「あさイチ」をご覧になって来店された小此木政夫先生に、
 早速トークイベントをお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。
 ご著書『朝鮮分断の起源』をベースに2回にわたって、お話しいただきます。
 南北関係に目が離せない今だからこそ、伺いたい内容です。
 
イベント メイン
◆2019年2月7日(木)19:00~20:00
 小此木政夫先生の「朝鮮分断(2)─米ソ冷戦と二つの朝鮮」
『朝鮮分断の起源』をベースにお話しいただくシリーズの2回目。
 冷戦の進展とともに朝鮮分断が不可避になった経緯と米ソの思惑について、
 わかりやすく解説していただきます。
 
イベント メイン
__おしまいに__________________________
今回、やっと気づきました。
 韓国の人々は詩で愛を語るのだと。
 「愛の物語」を読みたい方、
 小説よりも詩集がおすすめです。
 (土曜店長 しみず)
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