東京にも梅雨の季節がもう目の前まで
やってきている……。
先週の雨はそんなことを思わせる
久しぶりの本格的な雨でしたね。
チェッコリでは韓国の伝統茶やお餅を
ご用意しております。
おいしいお茶を飲みながら
雨の季節を楽しむための1冊を
見つけてみるのはいかがですか?
(火曜店長 リナ)
CHEKCCORI BOOK HOUSE
http://shop.chekccori.tokyo/
◆◇ 店長のおすすめ ◇◆
■きむ店主おすすめの人文書
『 국어사전을 혼내는 책』(国語辞典に物申す)
韓国語を勉強していて一番お世話になるのが辞書。
学習者も翻訳者も紙の辞書を持っている人が多いが、
最近はネットで自由自在に調べるのが普通になっているとか。
しかし、翻訳者たちによく聞くのは信用できる日韓・韓日辞典があまりないということ。
(出版社の人間として、みんなに喜ばれる日韓・韓日辞典を作ってみたいという壮大な夢もある)
しかし、これは果たして日韓・韓日辞典だけの問題なのか。
最近出たこの本は韓国の国語辞典のミスを容赦なく批判し、
堂々と間違いを正していて評判になっている。
30年以上のキャリアを持つ国語の教師で、また詩人でもある著者の力作。
彼が今まで書いた本は、詩集以外では国語に関する本がほとんどで、
『국어선생님, 잠든 우리말을 깨우다』、『미주알고주알 우리말 속담』、
『미친 국어사전』など。私が面白く読んだのは漢字語、食べ物、団体名、軍事用語、
文学用語、出版・印刷・写真の用語、医学・薬学の用語、動物と植物の名前、外来語の個所。
韓国が誇る国語辞典がここまでデタラメなのかということより、
著者の堂々とした答えが読んでいてとても気持ちいい。
翻訳に興味のある人たちにおすすめしたい。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1365
■ぱく店長おすすめの小説
『여름, 스피드』(夏、スピード)
2年付き合って別れた“彼氏”と、いまだに同棲を続ける“彼”。
新しい恋人ができたと告げられ、
逃げるように日本の大学へと留学するが、
そこで出会った担当教授は……。
著者はカミングアウトした初の作家、キム・ボンゴン。
デビュー作の「Auto」を含む6編のこの作品集は、
韓国同性愛小説の金字塔になるのではと言われています。
止められない愛について、一人称で語られる瑞々しい作品たち。
いま注目の作家の一人です。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1339
■しみず店長おすすめのエッセイ
『여자 둘이 살고 있습니다』(女ふたり、暮らしています)
シングルでも、結婚でもない 「組み立て式」家族の誕生!
Yes24のポッドキャストで人気のコピーライター、キム・ハナと
ファッション誌『W Korea』の編集長を長く務めた
ファン・ソヌによる女ふたりの共同生活記。
SNSを通じて互いを知っていたアラフォー女子ふたりは、
ある日、偶然出会って意気投合。
ソウルの人気スポット望遠洞で一緒に暮らし始めますが
一人は物をあまり持たない主義なのに対し、
もう一人はストレスを買い物で解消するタイプ。
洗濯や料理、掃除のやり方やスタンスも違います。
それらを現実的に解消しながら続けている女ふたりの暮らしぶりを
面白おかしいエピソードをまじえて紹介しています。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1341
■ささき店長おすすめのイラストエッセイ
『私が30代になった』
独特の存在感で注目されているアーティスト、イ・ランの
2冊目の邦訳エッセイ。
おかしくて切なくてほっとする30代女性の日常が
イ・ランの手によるイラストと言葉で描かれています。
さらにうれしいことに、原書そのままに韓国語も表記され、
そこに日本語が添えられているので、韓国語を勉強し始めた
ばかりの人には韓国語の学びにもなりますよ。
30代をこれから迎える人にも、
30代になった人、その時代を通り過ぎた人にも、
それぞれの感性で味わえる一冊です。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1362
■魯店長おすすめの人文書
『우리 음식의 언어』(食べ物の言語)
同じ食材でも呼び名は様々です。
スケトウダラの場合をみてもミョンテ、センテ、ドンテ、
ファンテ、ブゴ、モクテと呼び名が違います。
毎日のように食卓に上がるご飯はどうでしょうか?
不思議なことにほかの単語はありません。
お米も同じです。その理由は何なのでしょうか?
20年以上にわたり朝鮮半島はもちろん、中国、ロシア、
日本を行き来しながら研究してきた国語学者の著者。
食べ物をめぐる韓国語の様々な使い方について書かれた
韓国の食卓の人文学とも言える興味深い本です。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1349
■リナ店長おすすめのエッセイ
『나는 죽을 때까지 재미있게 살고 싶다 』(私は死ぬまで楽しく暮らしたい)
誰でも楽しく人生を過ごしたいと思っているけれど、
楽しくて面白い人生とは?
それは、いつも楽しいことばかりがあるのではなく、
辛い状況に立たされた時でさえも
楽しく乗り越えられる人生のこと。
そう、これは何かとても辛いことがあったとき、
前向きになれる1冊です。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1364
◆◇ 「心で読み解く6・25と南北分断」特集 ◇◆
6・25(朝鮮戦争)は、その勃発当初からずっと韓国社会における重大なテーマの一つとして、
絵本や小説、漫画、絵画・写真集などさまざまな形で描かれ続けてきました。
隣国の「今」に続く歴史を心で感じられる1冊に出会ってみませんか。
http://www.chekccori.tokyo/special/1906-2
■同じ民族同士がイデオロギーによって対立し大切な人たちがどんどん奪われていく中で、
自分らしく生きることをあきらめない子どもたちの姿に勇気づけられます。
韓国語版 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1356
日本語版 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1331
■幼少時代を過ごした田舎の懐かしい風景と、戦争によって無残に壊されてしまったソウルの街、
家族団らんがリアルに綴られた朴婉緒(パク・ワンソ)の自伝小説。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1351
■避難先の見知らぬ土地でおなかを空かせた少年が思い出すのは、畑で育てていたトウモロコシ。
美しい絵と淡々と語られる悲しい物語の対比が切ない絵本です。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1346
■非武装地帯(DMZ)にも毎年季節が巡り、草花や動物にとっては平和な時間が流れます。
その様子を展望台から見つめるおじいさんの思いは――。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1352
■引っ越した友だちを懐かしむ男の子の気持ちから、朝鮮半島の平和を願う心までを
一つの毛糸玉に込めた絵本。恋しさに胸を痛める人々を慰めてくれます。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1355
■ソウルと平壌に暮らす人々や街の写真を2枚並べて構成した珠玉の写真集。
二つの国は似ていないようでとても似ていて、様々なことを考えさせられます。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1357
■写真家チェ・ビョングァンがDMZに残された途切れた鉄道、錆びた鉄甲、
無名の勇士の墓など戦争の傷跡をドキュメンタリー形式で示しています。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1354
■『未生』の作家、ユン・テホによる長編歴史漫画。日本統治からの解放から仁川上陸作戦まで、
戦争によって破壊されていく社会の惨状が描かれています。全6巻。
第1巻 http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1350
■小説家キム・ウォニルの代表作。今年3月、大邱にオープンした文学館にこの小説の舞台が
再現されていて、今年の文旅@大邱で訪問する予定です。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1335
■共産主義の北か、民主主義の南か。主人公は新世界を求めて北に渡るが、真に求めた「広場」
はなかった。発表して60年の今も読み継がれる名作で、6月にクオンから邦訳を刊行します。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1361
◆◇ ミニコラム ◇◆
<定番のキムパプレシピ>
お出かけの季節ですね。
韓国では、遠足や運動会の時のお弁当の定番はキムパプです。
ランチタイムになると、それぞれのお弁当を広げ、
誰のキムパプが美味しいか比べてみたりしていました。
ゴボウを入れるか入れないかなど、具材によって各家庭の味も異なります。
サムギョプサルキムパプ、チーズキムパプ、ツナキムパプなど、
今は種類も増えましたが、定番といえば野菜キムパプです。
きゅうり(または、ゆでたほうれん草)、たくあん、にんじん、卵焼き、
カニカマ、ハムの6種類くらいの具材が入ります。
それぞれ幅1cmに切り、にんじんは軽く炒め塩で味つけをします
ご飯は炊きたてのものを冷まし、塩とごま油で味つけしておきます。
海苔にご飯を薄く広げ具材を載せて巻けば、キムパプの完成です!
文字だけのレシピ、いかがでしたか?
試したくなりましたか?
是非一度作ってみてください。
写真付きのレシピが欲しい方は、チェッコリへどうぞ!
キンパプの本も取り扱っています〜!
『무궁무진한 김밥의 맛』
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/190
『돌돌 말아 김밥』
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1075
(木曜店長 魯)
◆◇ まだ間に合うイベント情報 ◇◆
◆2019年6月5日(水)19:00~20:30
『全羅道ドットコム』から見える「全羅道精神、光州精神」とは?
全羅道の人々、自然、文化を地道に紹介してきた雑誌『全羅道ドットコム』の
ファン・プンニョン編集長、ナム・シンヒ記者、カメラマンのパク・カプチョル氏をお招きし、
「光州民主化抗争」のベースともいえる「全羅道精神、光州精神」についてお話を伺います。
イベント メイン
写真展も開催します。
■期間:2019年6月4日(火)~6月15日(土)/12:00~20:00(日・月曜定休日)
■会場:チェッコリ店内
■入場無料
◆6月7日 (金) 19:00~20:30
アジア文学の誘い@チェッコリー第3回『年月日』
毎月お届けする「アジア文学の誘い@チェッコリ」の第3回は、中国文学の『年月日』です。
スペシャルゲストに翻訳者の谷川毅さんと、なんと詩人・翻訳家の田原(でんげん)さんも
お迎えしてお届けします。
⇒ http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=559
◆6月12日 (水) 19:00~21:00
『日本統治下の朝鮮シネマ群像』刊行記念! 映画「授業料(수업료)」上映会&トークイベント
光州の朝鮮人小学生の作文を原作にした 崔寅奎監督の「授業料」(1940年/80分)を上映し、
元毎日新聞ソウル支局長であり、『日本統治下の朝鮮シネマ群像《戦争と近代の同時代史》』の
著者・下川正晴さんにミニ解説していただきます。
⇒ http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=570
__おしまいに__________________________
知っているようでよく知らない朝鮮戦争。
いわゆる「史実」としてだけでなく、
その時代を生きた人々の声に耳を傾け、
身近に感じる方法として、
今回ご紹介した本をどうぞ活用してみてください。
(土曜店長 しみず)
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