読書&食欲の秋にこの神保町へ通勤し始め、さっそく街に魅了されています。
このたびチェッコリで木・金曜日に新たに店長を務めます澤田今日子です。
瀬戸内海沿いの小さな町から昨年関東に引っ越して来たばかりです。
店ではもちろんのこと、つい最近までの私のように
地方で韓国語と向き合っている方々にも楽しい本の情報を届けられたら嬉しいです。
(木・金曜店長 さわだ)
◆◇ 店長のおすすめ ◇◆
■きむ店主おすすめの旅行エッセイ
『잃어버린 여행가방』(失くしてしまった旅行カバン)
作家朴婉緒(パク・ワンソ)さんの旅行をテーマにしたエッセイ集。
写真と短い紀行文のエッセイ集なので韓国語を少し勉強した人にも読みやすい本です。
韓国の各地を回った話もあれば外国でみた珍しい風景や
人々の営みについて書かれています。
なんだか読み終わると作家と一緒に旅行した気がします。
タイトルの「失くしてしまった旅行カバン」は、朴婉緒さんが1980年代に
2週間ぐらい作家何人かと一緒にヨーロッパを回り、最後に寄ったインドの空港で
預けたはずのスーツケースが戻ってこない話です。
プレゼントを詰め込んだ2つのカバンは無事だったが、
着替えや下着など洗濯ものがいっぱい入ったカバンだけが戻ってこない。
2週間分の下着や靴下、そして洋服のポケットにはパリで買ったスティック状の
インスタントコーヒーをたくさん詰め込んである。
当時韓国ではコーヒーは高級品だったから。
作家は戻ってこない旅行カバンを通して、
死後に残る自分の持ち物のことについて文章をまとめています。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1481
■しみず店長おすすめの小説
『단순한 진심』(単純な真心)
カルチャー誌『STUDIO VOICE』Vol.415の
「韓国文学探訪記」の中でも紹介された長編小説。
「歴史的暴力」によって傷を負った人々を描いてきたチョ・ヘジンさんが、
独特の感性で海外養子の問題を描いています。
1950年代からこれまでに海外の里親に引き取られた韓国人養子は約20万人。
その中から、最近、韓国を訪れたり定着する人が増え、
彼らを支援する団体もできているそうです。
そんな社会的背景の中で生まれた本作の主人公は、
パリの里親のもとで育ち、女優、劇作家として活躍しているナナ。
あることをきっかけに生まれて初めて韓国行きを決心しますが……
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1422
■ささき店長のおすすめの日本語で読める雑誌
『Koreana 2019秋号』
まずこの表紙で多くの人の目を奪いそうです。
言わずと知れた人気グループ「防弾少年団(BTS)」が
なぜ世界中でセンセーショナルを巻き起こしているのかを
紐解く特集はなんと35ページ!
さらには韓国映画界からこちらも世界中に名を轟かせた
ポン・ジュノ監督の作品に迫る記事まで、今回も読み応え十分。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1480
■ぱく店長おすすめのコミック
『마루의 사실』(マルの真実)
一人暮らしのわが家に犬がきた。
一人で飲むコーヒー、一人で歩く散歩道も、いまはマルがいっしょ。
マルと暮らしてから知ったいくつもの小さな発見は、いとおしいものばかり。
作者は漫画家兼、アニメーションの監督もしており、
シンプルながら犬の尻尾の振り方ひとつとっても、
些細なしぐさがうまく描写されています。
自分を慕ってくれる可愛い存在に、命を預かる責任を感じながらも
犬とともに暮らすことの幸せをかみしめています。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1185
■魯店長おすすめの実用書
『글씨 교정 바른 맞춤법』(文字矯正、正しい正書法)
韓国語のきれいな書体と正しいスペルがわかる一石二鳥の書き取り練習帳です。
いろんな書体が載っているので、お気に入りを選んで練習することができます。
書き取りしていくうちに字の矯正とスペルの勉強が同時にできる1冊です。
韓国人も間違えやすい単語の意味や外来語の表記法など正書法393選を収録!
自分だけの韓国語の書体、見つけてみませんか?
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1023
■さわだ店長のおすすめ地域ガイド本
『속초 -한국의 땅과 사람에 관한 이야기』
(束草 −韓国の土地と人についての話)
「束草に関する本はないの?」
そう問われる度に冷や汗をかいていた江原道・束草で60年以上続く書店の3代目店主が、
自ら筆をとってうまれた"丸ごと束草だけ"の初の単行本。
国内の個性豊かなローカル都市を一つずつとりあげ深堀りするシリーズ本の一作目。
朝鮮戦争時に北から避難してきた"失郷民"の町から、
新たに注目の集まる観光地として刻々と変化する束草の過去と今がわかります。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1482
◆◇ 11月9日開催「2019 K-BOOK FESTIVAL」を盛り上げよう!特集 ◇◆
盛り上がりを見せる「韓国の本=K-BOOK」の波。
来る11月9日(土)に神保町の出版クラブビルにて、日本の出版社19社に、
韓国の書店3社を加えたフェスが開催されます
日本の出店各社の紹介を兼ねて、おすすめの一冊をピックアップしてみました。
(翻訳本の場合は韓国語原書を中心にご紹介しています)
http://www.chekccori.tokyo/special/1911
■明石書店
激動の1970、80年代。行動する言論人として軍事政権に果敢に立ち向かい、
同時代の学生や知識人に最も影響を与えたジャーナリスト・知識人である
李泳禧(リ・ヨンヒ)が、自らの人生と言論活動を振り返り、韓国民主化運動の軌跡を辿る。
https://www.akashi.co.jp/book/b475363.html (出版社サイト)
■亜紀書房
ある日、大事な人を失ったとき。あの日、自分の中の何かを失ったとき。
癒えぬ悲しみを抱え、永遠に遠ざかってしまった「失ったもの」を思う心の揺れを真正面から描く。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/788
■岩波書店
愚直に歩むヒキガエルの姿を伝統的な太鼓の音とともに
親しみをこめて描いたユニークな韓国の絵本です。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1483
■NR出版会
新泉社、新幹社、インパクト出版会など出版社連合ブース。
■影書房
1945年の解放後の町、鉄原(チョロン)と、朝鮮戦争に突入した5年後のソウル。
その時代の解放から戦争へと、祖国が北と南に分かれていく様が描かれる。
韓国語版⇒ http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1069
日本語版⇒ http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1356
■河出書房新社
ハン・ガンによる65編の掌編。産着、吹雪、白い犬、骨、雲……といった「真っ白」ではない、
生と死をこもごもたたえた「白いもの」について。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/223
■キネマ旬報社
ふわふわ、ふかふか、ほわほわの食パンねこの秘密とは。
ちょっと太めのトゥントゥン(뚱뚱)猫の世界へようこそ!
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1087
■クオン
ぼくの家の近くに作家の朴景利先生が引っ越してきた。
トークイベントにも登場のイ・ギホさんの日本語初邦訳本。
日本語版⇒ http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1200
収録原書版⇒ http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/974
■彩流社
ついに仕事も家も失った男は、全財産をつめたキャリアバッグとともに駅に行きついた。
見知らぬ老いた女とホームレスの男。必要なものも欲しいものもない二人が行きついた先は……。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/599
■三一書房
厳しい軍事独裁政権下を生きぬいた密かな芸術的抵抗としての代表作「ソウル1964 年冬」を含む
8篇からなる金承鈺短編集。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1484
■晶文社
韓国のプロ野球が開幕した1982年。万年最下位の弱小プロ野球チーム
「三美スーパースターズ」を応援する僕の、冴えない青春ストーリー。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1016
■書肆侃侃房
「夢未来実験共同住宅」に入った四組の夫婦。この新しい集合住宅に住むには条件があるのだが……。
夫婦4組のそれぞれの事情が明らかになるにつれ、「共同体」という幻想に軋みがあらわれる。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1190
■タバブックス
これ以上耐えることはない。声に出してわかること、わかってもらえること。
フェミニズムを語る新しい言葉、傷つかずに自分を守るための言葉とは。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/945
■筑摩書房
韓国でベストセラーとなった、フェミニズム小説。
日本でも大ヒットしたこの本の主人公、82年生まれのキム・ジヨンが経験したこととは。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/686
■白水社
“少年老い易く学成り難し”。駆け足で大人になった少年たちの物語をとおして、
大人とは何かを問う意欲作を含む、ピョン・ヘヨンの短編集。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1433
■HANA
Twitterで超人気の“ゆうきさん”が、過去4年間にわたり全国の会場で開催してきた
韓国語の発音講座の内容をまとめて一冊に。トークイベントにも登場いただきます。
https://www.hanapress.com/archives/8349(出版社サイト)
■福音館書店
おばあちゃんが縫ってくれたチェクポをしょって学校に通うオギ。
でも本当はランドセルがほしかったオギは、友だちと喧嘩してしまい……。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1478
■ブロンズ新社
一人遊びが好きなドンドン。不思議なあめだまを食べたら、ソファーや犬が喋り出した!?
ドンドンに起きた不思議な出来事とは。会場内でパネル展も開催。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/668
■ワニブックス
自分が自分らしく生きるためのヒントを教えてくれる人生の応援エッセイ。
ふっと肩の力が抜ける、素敵な言葉たち。
http://shop.chekccori.tokyo/products/detail/1102
◆◇ ミニコラム ◇◆
<「文学で旅する韓国-大邱編」を終えて、来年も・・・>
「文学で旅する韓国」ツアーで大邱を訪れました。
今回の文旅には日本各地だけでなく韓国在住の方も含め
25人が参加してくださいました。
大邱の人々、本当に熱かったですね。
大邱で作家として活動すること、出版活動を行うこと、
本屋を営むことの意味や意義がよく伝わってきました。
現地の読書クラブのみなさんとの交流も楽しかったです。
書評クラスを3ヶ月間受講して、文章の書き方から本の選び方、
読み方をしっかり身につけた人が読書クラブのメンバーになるそうです。
メンバーは交代制で地域の新聞や雑誌の書評コーナーに書評を発表しています。
さらにはメンバー同士で本も出しているそうです。
そのようにしながら、読書力を高めているということでした。
また、偶然にも韓国舞踊を体験できたことは今回の文旅の宝物として残ると思います。
(ツアー参加者も一緒に踊りました!)
人間の本性の中からもっとも大きいパワーを見つけ出すこと、
それを踊りで表現していくこと、そのパワーは国も民族も言葉も超える、
とおっしゃった舞踊家のキム・ナヨン先生の言葉が忘れられません。
みんなで踊った動画はチェッコリのウェブサイトで公開します!
あ、大邱の食べ物は本当に美味しかったです。
食で有名な全羅道出身の私ですが、今回大邱で食べたチムカルビや魚の煮つけ、
蓮根の葉で包まれたご飯、そしてツアーの皆さんを見送った後に
スタッフで食べたユッケ(大邱の言葉でムンティギ)は最高でした。
みなさん、大邱に行ったらこのムンティギをぜひ味わってくださいね。
来年は金薫さんの『黒山』を読んで韓国の島を体験する文旅にしてみようと思っています。
みなさん、期待してください。
(店主きむきむ)
◆◇ まだ間に合うイベント情報 ◇◆
◆10月30日 (水) 19:00 – 20:00
日韓で活動する助監督・藤本信介さんによる「撮影現場から見た韓国映画の魅力とは?」
世界中の人々を魅了する韓国映画。そんな韓国映画を長年、現場で見てきた藤本信介さんが
その魅力について語ってくださいます。韓国に渡って18年、
今までに参加した数多くの素晴らしい作品を通して感じたことなど、
韓国映画の現場の話をじっくり伺ってみましょう。
⇒ 満席になりました
◆11月10日 (日) 14:00 – 16:00
<境>を越えて、歌う、踊る、響き合う女たち―作家姜信子とストリップティーズ牧瀬茜の言葉と身体
日曜日特別イベントです。
言葉はどうやって<境>を越えるのだろう?
身体はどうやって<境>を越える?
いろんな<境>がくっきりと太い線になってだんだん窮屈なこの世だからこそ、
日韓の<境>に風穴をあけるチェッコリで、
流れる水のような調べを奏でるナマステ楽団と共に、楽しみましょう。
⇒ http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=628
◆11月12日 (火) 19:00 – 20:00
ポジャギ好き集まれ! チェ・ヒジュさん主宰ポジャギ教室「ヒウォン」メンバーと交流しよう
チェッコリでワークショップの講師をしていただいているポジャギ作家チェ・ヒジュさんと、
その仲間たちの作品展が開かれるのを記念して、チェ・ヒジュさん、メンバーのみなさんにお越しいただき、
ポジャギ好きのみなさんと「ポジャギ談義」に花を咲かせる交流会を開催します。
⇒ http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=633
◆11月13日 (水) 19:00 – 20:30
アジア文学の誘い@チェッコリー第8回『冬将軍が来た夏』
アジア文学の誘い@チェッコリは、日本を含めたアジアの小説を横断的に読むイベントです。
第8弾は、甘耀明著『冬将軍が来た夏』(白水紀子訳、白水社、2018年)、
台湾の社会が抱える問題をユーモラスに描いた傑作です。
ゲストには台湾出身の小説家・李琴峰さんをお招きします。
台湾現代文学ディープナイトを一緒に楽しみましょう。
⇒ http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=629
◆11月15日 (金) 10:30 – 12:00
(さ)がモデルとして登場!「韓流メモリアル」ブック座談会開催
(さ)こと、チェッコリ宣伝広報担当佐々木が、自身の15年にわたる「韓流生活」を
一冊にまとめた韓流メモリアルブックを作っていただきました。
そこでこの新しくスタートする「韓流メモリアルブック」を見ていただきながら、
あなたの欲しいと思うメモリアルブックについてのご意見や感想をお伺いする
座談会を開催します。
大好きな韓流スターがいる方、長年追っかけてきたアイドルがいる方、
ぜひ率直なご意見でこのサービスのブラッシュアップにご協力ください。
イベント メイン
◆11月19日 (火) 19:00 – 20:00
テンプルステイだけじゃもったいない! 「韓国仏教を知る・楽しむ会」
日本と韓国の仏教の違い、韓国仏教の歴史および現在の状況に加え、
北朝鮮の仏教についても触れられている『はじめての韓国仏教―歴史と現在』。
著者の佐藤厚さんから、日本と韓国の仏教の違い、北朝鮮の仏教、韓国仏教の楽しみ方について、
お話ししていただきます。
イベント メイン
◆11月21日 (木) 19:00 – 20:00
希少画像で見る「金子文子の朝鮮」
今年は「3.1独立運動」から100年の節目の年で、映画『金子文子と朴烈』が日本でも公開されるなど、
話題を集めた「金子文子」。今回のイベントでは、史実の中での金子文子の生き方について、
研究の経緯など希少画像のスライドを上映しつつ、研究家の亀田博さんにお話しいただきます。
イベント メイン
__おしまいに__________________________
10月に入っても続々とタピオカ屋さんがオープンしています。
お店の徒歩10分圏内に10店舗はあるのでは。
気になるのは珍しい仙草ゼリー推しの「黒工号」さん。
そして11月には神田カレーグランプリも決まりますので、
本好きでないお友だちも誘いやすい。
秋の行楽はぜひ神保町へ!
(土曜店長 ぱく)
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