CHEKCCORI通信 Vol.182【『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』のイラストレーター、バン・ジスさんのCollectionを特別販売します】
※このメールは、チェッコリからお送りしています。
2024.2.29
CHEKCCORI通信 Vol.182 http://www.chekccori.tokyo/
ごあいさつ
最近、店頭でのZINEの販売に力を入れています。 昨年から人気のイリさんの『시무룩해도 괜찮아(へこんで、いいんだ)』や『녀석이 온다(やつがやってくる)をはじめ、韓国人のハナさんと日本人のマキさんによる『갈매기자매 かもめ姉妹』など日韓両語で楽しめるものや、韓国の食にまつわるものもあります。 そして、韓国文学の未邦訳作品の紹介、邦訳作品レビュー、コラムなどが掲載された『udtt book club』も取り扱わせてもらえることになりました。 さらに韓国からも仕入れるなどしてますます充実させていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!
(しみず)
お知らせ
イラストレーター バン・ジスCollection 特別販売 予約受付中
『不便なコンビニ』『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』の装丁画を描いたイラストレーター、バン・ジスさんの来日を記念して、選べる2冊セット(サイン入りポストカード付き)を特別価格で販売します。
詳細はこちら国際女性デー連動企画
3月8日の国際女性デーにちなみ、千代田区男女共同参画センターMIWが実施するキャンペーンとの連動企画として、女性の社会参加や地位向上、ジェンダー平等について考える書籍を集めて展示・販売します。3月9日まで。
詳細はこちらいわいあや写真展「はじめての済州、それから」
主に身のまわりの人やものを撮影するいわいあやさんの写真展を開催します。今回の写真展は、3月19日(火)から4月20日(土)まで、初めて訪ねた韓国・済州を中心に撮影した約20点を公開予定です。
営業時間の変更について
店内でのイベント開催のため、下記のとおり営業時間を変更いたします。ご来店の際、お間違えのないようお願いいたします。 3月14日(木)12時~18時 3月22日(金)12時~18時 3月27日(水)12時~18時 4月6日(土)11時~17時
イベント情報
3月14日(木)19:00~20:00 【会場+オンライン】担当編集者に聞く、なぜ今「非婚」をテーマにした作品が翻訳出版されるのか⁉
お申込みはこちらから3月22日(金)19:00~20:30 【会場+オンライン】ベストセラーの表紙を描くイラストレーターはどんな本を読むのだろうか?
お申込みはこちらから3月27日(水)19:00~20:30 【会場開催】チェッコリ読書クラブ:テーマ本は『設計者』(キム・オンス著、オ・スンヨン訳)
お申込みはこちらから4月6日(土)18:00~19:30 【会場開催】『翻訳に生きて死んで―――日本文学翻訳家の波乱万丈ライフ』刊行記念 クォン・ナミ×藤田麗子「翻訳家って、どんなお仕事ですか?」
お申込みはこちらからクオンのおすすめ
CUON韓国文学の名作 006『幼年の庭』ご予約受付中
呉貞姫著『幼年の庭』(清水知佐子訳)を3月に刊行します。
呉貞姫さんは2003年に長編小説『鳥』でドイツのリベラトゥール賞を受賞し、韓国人として初めての海外文学賞受賞であったことから大きな関心を集めました。
『幼年の庭』は李箱文学賞受賞作の「夜のゲーム」を含む、幼年期から熟年まで幅広い年代の女性を話者や主人公に据えた8作品を収録した小説集です。
現在CHEKCCORIでご予約を受け付けています。
ご予約受付中
特設ページでは各作品のあらすじなどもご紹介しています。ぜひご覧ください。
『幼年の庭』特設ページ【好評既刊】ヤン ヨンヒ著『カメラを止めて書きます』
ヤン ヨンヒ監督の<家族ドキュメンタリー映画3部作>のひとつである『スープとイデオロギー』が3月14日~3月31日にシネマ・チュプキ・タバタで上映予定です。 ※休映日あり 母親が長らく抱えてきた秘密、タイトルに込められた監督の思いをぜひ映画館で体感してみてください。 https://coubic.com/chupki/1182025
『カメラを止めて書きます』はドキュメンタリー映画『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』『スープとイデオロギー』を軸に映画のビハインドストーリーや、ヤン ヨンヒ監督が撮り続けるなかで感じた想いを、率直な語り口で綴ったエッセイです。
「父の娘であること、兄たちの妹であること、女であること、在日コリアンであること、そのすべてから解放されたかった。家族にカメラを向けているのも、逃げずに向き合い、そして解放されたかったからである。(…)いくつもの手枷足枷でがんじがらめになっている自分が自由になるためには、自分にまとわりついているモノの正体を知る必要があった。知ってこそ、それらを脱ぎ捨てられるような気がしていた」
(本書より)
日本と朝鮮半島の歴史を知る、家族や自分自身をみつめなおす、手に取るきっかけがどのようなものでもこの本が持つ力に揺さぶられる一冊となっています。
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店長のおすすめ本
★しみず店長★おすすめの小説
『가녀장의 시대(家女長の時代)』

★ジヨン店長★おすすめのイラストエッセイ
『나의 하루를 산책하는 중입니다(私の日々を散歩中です)』

★スタッフさわだ★おすすめのコミック
『똑똑한데 가끔 뭘 몰라(賢いのに、たまに何も知らない)』

★宣伝広報担当ささき★おすすめの日本語で読める小説
『ロ・ギワンに会った(『로기완을 만났다』日本語版)』

★店長のおすすめのバックナンバーの一部は、YouTubeでもご覧になれます★
店長のおすすめ本をYouTubeでみるミニコラム
<86年生まれの、私はキム・ジヨンです。>
#5 結婚って誰のため?
2019年2月。私にとってはとても特別な、でもほとんど記憶に残っていない不思議な日がある。私の結婚式の日。毎年2月になると、夢のようなあの日の慶びに浸るよりも、決して忘れられない結婚準備にかけた1年余りの時間を慰めたい気分になる。 2018年、じっとしていても額に汗がにじみ出る初夏の東京。パソコンの前に座って準備リスト作成のためにエクセルファイルを開くことで、韓国で挙げる結婚式の準備が始まった。 両家の顔合わせに始まり、挙式の日程、式場、ウェディングドレスと夫の礼服、韓服、ヘアメイク、スタジオ写真、結婚指輪、両親の韓服、 結納品、招待状、拝白(ペベク:結婚するとき、新婦が舅と姑、夫の目上の親戚にお辞儀をすること)、新婚旅行……。東京に住んでいるおかげで新居購入という最難関のことは考えなくていいのが不幸中の幸いだった。 まずは顔合わせの準備に突入する。日程を決めようとすると、土曜日は母がミサに参加するため聖堂に、日曜日は義母が教会に行く。双方譲れない宗教的なスケジュールで両家に何度も電話を続けたあげくやっと日程が決まった。次は場所。新郎新婦がソウルと仁川(インチョン)など違う都市に住んでいる場合、通常、結婚式は新婦の家のあるエリアで行い、顔合わせは新郎の家の近くで行う。もちろん、通常はそうだとしても、お互いの両親の意向を確認するのは必須。大したことはないように見えても、相手の家の態度や話し方などが、結婚させていいかどうかの判断基準にもなり、顔合わせ当日の雰囲気を左右することもあるので、慎重に進めないといけない。 場所が決まったら次はレストランを選ぶ。当日戸惑わないように料理も決めておく。レストランが新郎側の近くだったら支払いも新郎側でするから金額にも要注意。ホームページを何十回もチェックし、口コミもよく読んでから決定した。予約する前には両家の両親に参加人数を尋ねる。お互いの参加人数に大きな差があってはいけないからだ。義母から小学生の孫娘2人を連れて行ってもいいかと聞かれた。母にそのことを伝えたら、大人同士の場に子どもなんて、と難色を示しながら理由を聞かれ、理由なんか聞いていないが、適当に理由を作って言い繕った。韓国にいる弟に予約を頼んだ。かろうじて顔合わせの準備が終わる。 結婚準備のほとんどはこんな感じだった。両家の両親に意見を聞き、その意見をそれぞれに伝え、理由を説明し、許可をもらい、確認することの連続。それが、この結婚を平和的かつ円滑に進めることにつながると考えていた。 そうするうちに、私の意のままに決められることはどんどん少なくなっていた。ウェディングドレスは、母の好みで何着かを試着させられ、母が選んだドレスに決まった。結婚式当日、ゲストに配る食券に人数を把握するためのスタンプを押すかどうかで父と喧嘩になった。結婚式場の担当者から依頼された式場前に立てる二人の写真でも大騒ぎになった。式場の前に写真を立てるなんて見たことがない、と父が文句をつけたからだ。アメリカとメキシコのリゾート地への新婚旅行も安全上の理由で反対された。招待状の内容や文字のフォントでツッコまれ、何度も何度も修正を繰り返した。省略するつもりだった結納品も結局、布団や高級ブランドのバッグや時計などを取り交わすことになってしまった。 もちろん、すべての韓国人カップルの結婚準備がそうだというわけではない。最近ではスモールウェディングやパーティー型結婚式などを選択し、伝統的な結婚の手順を省略する賢いカップルも増えている。 結婚式の形式に正解はない。ただ、結婚式を挙げる当事者である二人にとって有意義で幸せな結婚式なのかを第一に考えるべきではないかと思う。こうした現象は、韓国での「結婚」が二人の結婚というより、二つの家の結合を意味するからだろう。 笑い話だが韓国ではこんな言葉がある。“結婚準備がこれほど大変で複雑なのは、離婚を防ぐためだ”と。そして、実際に結婚式を挙げてからこの馬鹿馬鹿しい言葉が胸に深く刻まれた。二度はできないのだなと。
(ジヨン)
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