CHEKCCORI通信 Vol.186【おかげさまで9周年。感謝の気持ちを込めてスペシャル企画をご用意しました】

※このメールは、チェッコリからお送りしています。

2024.6.27

CHEKCCORI通信 Vol.186 http://www.chekccori.tokyo/


ごあいさつ

今年もソウル国際ブックフェアのシーズンがやってきました。今回は少し規模が縮小されたとのことですが、それでも多彩なプログラムが用意されているようですし、ブックフェアを機に発売される新刊もあるみたいで楽しみです。

チェッコリからは店主きむと宣伝広報担当のささきが出張中。現場からレポートが届く予定(⁉)ですので、どうぞお楽しみに!
https://sibf.or.kr/

(しみず)

お知らせ

CHEKCCORI開店9周年、3つの企画を同時展開!

2024年7月7日で9周年を迎えるCHEKCCORI。みなさまへの感謝の気持ちを込めて20%オフセールや特別営業など3つのスペシャル企画をご用意しました。

詳細はこちら

営業時間の変更について

店内でのイベント開催のため、下記のとおり営業時間を変更いたします。ご来店の際、お間違えのないようお願いいたします。

7月2日(火) 12時~18時
7月5日(金) 12時~18時
7月11日(木) 12時~18時
7月13日(土) 11時~17時
7月25日(木) 12時~18時
8月3日(土) 11時~17時

イベント情報


7月2日(火)19:00~20:00
【店内+オンライン】兵役に行っている推しのためにすること
カン・ヒボン先生、待つための極意を教えて!

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7月5日(金)19:00~20:00
【店内+オンライン】なかしましほ×八田靖史『なかしましほ ソウルのおいしいごはんとおやつ』の気になることあれこれ聞いちゃいます

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7月11日(木)19:00~20:30
【店内+オンライン】『韓流ブーム』刊行を記念して、「ブーム」の時代から「当たり前」の時代へ、20年を振り返り、これからを語る

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7月13日(土)18:00~19:30
【店内+オンライン】『大学生が推す 深掘りソウルガイド』刊行記念
金富子さん×一橋大学社会学部加藤圭木ゼミ「ソウルの街とわたしたち」

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7月25日(木)19:00~20:30
【店内+オンライン】崔盛旭×伊東順子初対談「韓国映画と大統領」

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8月3日(土)18:00~19:30
【店内+オンライン】『泣いたって変わることは何もないだろうけれど』刊行記念
パク・ジュン(詩人)×柴田葵(歌人)対談 「사랑(サラン)、愛、ラブ」

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クオンのおすすめ

ポエトリーツアー決定!:『泣いたって変わることは何もないだろうけれど』

セレクション韓・詩シリーズの最新刊『泣いたって変わることは何もないだろうけれど』の著者パク・ジュンさんから韓国語の朗読が届きました。クオンのYouTubeチャンネルで公開中です。日本語で黙読して味わうのも十分素敵なのですが、朗読を聴くと韓国語の響きも含めてさらに深く心に沁み渡ります。
そして8月にはパク・ジュンさんが来日し、1日から4日にかけて福岡・東京(CHEKCCORI)・大阪の3都市で対談イベントを開催します。こちらもぜひご期待ください!

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ご予約受付中:『韓国ドラマを深く面白くする22人の脚本家たち:「梨泰院クラス」から「私の解放日誌」まで』

CHEKCCORI翻訳スクールの岡崎暢子さんの翻訳ワークショップから生まれたインタビュー集が、ついに7月中旬に発売となります!

韓国ドラマの脚本家22人が語るインスピレーションの源、執筆の過程やルーティン、物語(イヤギ)への想い――。韓国ドラマファンの皆さんが今読みたい内容であることはもちろんのこと、「書く」ことに関心のある人、創作の現場に携わる人たちにとって刺激となる言葉に満ちていて、読みごたえのある一冊です。

CHEKCCORI BOOK HOUSEでご予約いただいた方には、先行販売が始まり次第送料無料でお届けします。

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店長のおすすめ本


★しみず店長★おすすめの小説

『메리 소이 이야기(メリー・ソイ物語)』

『오늘의 개, 새(今日の犬、鳥)』のソン・ミギョンさんによる初の長編小説。主人公ウンスの母は、幼い頃に遊園地で見失ってしまった妹のソイを捜し続けていたが、ある日、ソイが「ミミ製菓」のイチゴ味のウエハースが好きだったというエピソードがその会社のマーケティングに利用されたことで、ニセのソイたちが次々とウンスの家を訪れる。そんなニセのソイたちを巡る物語が、大人になっても人形の世話をするのがすべてのウンス、他人の言うことや怪しげな宗教をすぐに信じてしまうウンスの叔父、人々に酷評されながらもドロドロの愛憎劇を書き続けるウンスの友人で放送作家のマロニーというちょっと奇妙な三人のやりとりを中心に描かれる。起承転結がなく淡々とした展開だが、本物のソイを待ちながら、善と悪を安易に分けず、誰も傷つけることなく流れていく三人の平凡な日常に癒やされる不思議な読後感が魅力的。

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★ジヨン店長★おすすめの人文書

『문학이 차린 밥상(文学に見る韓国の食卓)』

長い間韓国の食文化を人文学的な観点から見つめてきた大学教授、チョン・ヘギョンさんによる人文書。 著者が語る文学とは、ある社会の文化や歴史が溶け込んでいて、人の生活像が生き生きと映し出されているもので、本書では韓国を代表する現代文学作品を取り上げ、そこに描かれている韓国の伝統料理から韓国の歴史や生活像に迫ります。1章ではチェ・ミョンヒさんの小説『魂の火』に登場する全羅道の日常食や旬の食べ物に注目し、朴婉緒さんの小説『未亡』からは朝鮮半島の分断によって忘れられていく開城の食文化を紹介します。3章と4章では朴景利さんの『土地』を用いて、慶尚道の郷土料理に込められた「香り」の文化を探り、日本の支配下で困窮した韓国人の「恨(ハン)」が読み取れる料理や急変する時代がもたらした価値観と食生活の変化などを解きほぐします。

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★スタッフさわだ★おすすめの児童書

『초등교과 어휘왕 가로세로 낱말퍼즐 : 초급(韓国の小学生向け 語彙を増やせるクロスワードパズル:初級)』

韓国の小学生が知っておきたい言葉で構成されたクロスワードパズル。パズルを解くことで、子どもの語彙力、読解力、表現力が遊びながらアップするように作られています。パズルは全部で50個。問題文には答えになる単語の反対語、類義語、関連することわざなども添えられていて推測しながら解けます。楽しみながら韓国語の短い文章をたくさん読めて、達成感も味わえるなんて韓国語学習者にもぴったり!と見つけた時に嬉しくなりました。周りに学習仲間がいれば、問題を読み合って単語を当てるクイズを出し合うのも面白そうです。

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★宣伝広報担当ささき★おすすめの日本語で読める小説

『ハルビン』

「安重根による伊藤博文暗殺事件」はご存じの方も多いことでしょう。私自身はこの一文で表されること以上について知らなかったと言えます。そんな中、この事件を題材にした歴史小説『ハルビン』(キム・フン著、蓮池薫訳)が新潮クレスト・ブックスに満を持して登場しました。ハルビン駅で事件が起こる(1909年10月26日)2年前からの伊藤博文と安重根の生活が交互に描かれ、一人の人間としての伊藤博文、安重根の足跡を追いながら次第にその時に向かっていく様子に切迫した緊張感を覚えながらもなぜか「のんびり」とした空気も感じてしまう不思議な世界に没入させられます。そして「カトリック教徒」であった安重根と神父との関係や、安重根をはじめ、妻、子どもなど周囲を取り巻く人々のその後も記述され、二重三重に張り巡らされた構造で楽しめる歴史エンターテイメント小説です。

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ミニコラム

<店長かなの、日韓ミックスから見た韓国>

♯2 韓国にいる私の「第二の母」。韓国の濃い親戚づきあい

私には「第二の母」と言えるくらい親近感のある、韓国に住むおばさん(고모・コモ)がいます。고모は私の父方の祖母の弟の娘、つまり父の従妹です。父が子供の頃、고모の一家は隣りの家に住んでいたこともあり、本当の妹のようにかわいがっていたそうです。

そして、고모が私の第二の母である理由は、私が産まれてから4歳くらいまで고모は日本にいて、私たち家族とひとつ屋根の下で暮らしていたからです。

私にとっては物心つく頃から身近な存在である고모。でも、父方のほかの親戚はすべて韓国にいます。大人になってからふと「なぜ、고모は私たちと一緒に住んでいたんだろう?」と思って母に聞いたところ、韓国の濃い親戚づきあいの様子が見えてきました。

고모が日本に来たのは母が私を妊娠しているときのこと。当時、고모は韓国で高校を卒業したばかりでした。고모は5人きょうだいの長女で大学には進学せず就職をするつもりでしたが、就職先がなかなか見つからなかったそうです。その状況を知った父は고모に「日本に来て一緒に暮らしながら、日本語を勉強すればいい」と話したそうです。うちの両親は結婚に反対されてなかば駆け落ちのように結婚しました。母は当時、実家とは絶縁状態で頼れる親戚もいません。そんなこともあり、父は고모が母の助けになってくれると考えたのかもしれません。

「かもしれません」と歯切れが悪いのは、もはや誰にも真相がわからないからです。父はずいぶん前に亡くなりましたし、父は母に事前に相談することなく「고모を日本に連れてくる」と決定事項として伝えてきたそうです。いやぁ、おそろしい亭主関白です。

さらに驚くのは、その時点で고모はまったく日本語が話せませんでした。母は2歳の姉と生まれたての私を抱えながら、まだ日本語を話せない고모とも一緒に暮らし始めたわけです。我が家は決して広い家でもありません。このカオスな状況を受け入れた母をちょっと尊敬します。

고모にとっても、なかなか大変な状況だったのではないでしょうか。고모によれば、姉や私に読み聞かせる幼児向けの絵本を一緒に読みながら「あいうえお」から日本語を勉強したそう。そして、子供と遊びながら日本語を覚えるのは意外によかったと고모は言います。子供が言語を習得していくように覚えていけるし、日本人の大人を相手に勉強中の日本語を話すより、子供に話しかける方が緊張せず日本語を話せたのだそうです。

たしかにその気持ちはちょっとわかります。私も韓国に行って親戚と会うと、韓国人の大人と話すよりも親戚の子供たちと話す方がはるかに気が楽です。難しい単語を使わなくて済みますので。

ちなみに、고모は日本に通算5年ほど住んでいる間に日本語をマスターし、韓国に戻った後は道庁(日本でいうところの県庁)で通訳として働きました。고모が韓国に帰ってからも、私たち家族との交流はずっと続きました。고모は独身なこともありフットワークが軽く、私たち家族が釜山に行くといつも空港に迎えに来てくれます。10年ほど前に母が還暦を迎えて、母と娘たちで日本の国内旅行をした時には、고모が韓国から駆けつけてみんなで旅をしました。

そんな고모は通訳として働き続け、4年ほど前に定年を迎えました。コロナ禍は会えない日々が続きましたが、今年の3月に「日本の美術館に行きたい」と遊びに来て久しぶりに再会できました。7月には私が久しぶりに渡韓して고모の家にも遊びに行く予定です。こんな付き合いが続けられているのも韓国の濃い親戚づきあいと、カオスな状況を受け入れた母のおかげだなと思っています。

(かな)

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