CHEKCCORI通信 Vol.112 【人気のエッセイ本、話題の新作もたっぷり揃えました】


2020.8.25

CHEKCCORI通信 Vol.112

http://www.chekccori.tokyo/

ごあいさつ

8月もいよいよ終わりですね。
暑い日はまだまだ続きそうですが、
夏バテや熱中症に気を付けながら頑張っていきたいと思います。

エッセイの翻訳本が続々出ています。
テーブルいっぱいに原書と翻訳本を並べました。
カラフルな装丁でお店も明るくなっています。
周りのことに気を使うより、自分スタイルで生きる内容のエッセイが
今、日韓の若者に読まれています。“共感”しているという証拠でしょうか。
093536460
日本と韓国がここまで近くなっています。その証拠を見に来てください。 店内を換気し、ご来店をお待ちしています。
(火・水曜店長 魯)

お知らせ

【短縮営業と臨時休業のお知らせ】

8月27日(木)営業時間16時~20時(TV撮影のため)
8月28日(金)営業時間12時~19時(オンラインイベント配信のため)
10月3日(土)臨時休業(オンラインイベント収録会場として提供のため)
以上、あらかじめどうぞご了承ください。

【第12回 K文学レビューコンクールを開催中です】

今年の課題作は全8作品(9冊)。話題になった作品がずらりと揃いました。
あなたが読んで感動した、また人におすすめしたくなった作品について書いてみませんか?
http://k-book.org/bookreview/12th/ 
最優秀賞には図書券3万円分の副賞も。
また、これに関連して、審査員でもある永江朗さんによる書評<ブックレビュー>お作法講座も
開催しますので、ぜひ参加してみましょう。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=720

【チェッコリ翻訳スクール 申込受付中】

9月開講講座も続々と定員になっていますが、下記2コースはまだ若干名募集中です。
ぜひこの機会に一緒に取り組んでみませんか?
●ノンフィクション翻訳コース承賢珠クラス
「食」に興味のある方にはおすすめの一冊で翻訳を学んでいきます。
http://www.chekccori.tokyo/school/2009_non_sun 
●文芸書翻訳コース五十嵐真希クラス
1960年代から80年代にかけてのソウルの風景、暮らしについてのエッセイを翻訳していきます。
中級者から受講可能です。
http://www.chekccori.tokyo/school/2009_bungei_iga

店長のおすすめ

きむ店主おすすめのエッセイ

『어디에 있든 나는 나답게』(どこにいても私は私らしく)

元朝日新聞記者の成川彩さんが2017年から3年半韓国へ留学していて感じたことを書いた本です。
日韓の慣習の違いから韓国映画の話、俳優さんの話、日本で2000年代から楽しまれてきた韓流の話まで。
読みながら何度もなるほどと頷いてしまいました。
(本の中に私もちょこっと登場しますよ。)
成川さんはこの本をベースにクオンのサイトでも日本語で連載を開始し、
来年には日本語版が誕生する予定です。
「クオンの本のたね」→ https://note.com/cuon_cuon 
CHEKCCORI BOOK HOUSE で購入する

しみず店長おすすめの人文書

『나、참 쓸모있는 인간。』(私ってほんと、価値ある人間。)

いま人気の韓国エッセイのような、
ちょっと肩の力が抜けたタイトルがいいですよね。
もう少し意訳するなら『私もなかなか捨てたもんじゃない』というところでしょうか。
教養教育の新しい地平を開いたといわれる慶熙大学フマニタスカレッジで、
2012年から2017年まで行われた「古典を読む―朴景利の『土地』」の内容が収録されています。
同カレッジの教授を務める著者は、毎期50人の学生たちと一緒に『土地』を読み、
人間の生と社会、他人と自分の関係について考えながらそれぞれの自分らしい生き方を模索しつづけ、
600人の学生から‟最高の教養講義”に選ばれたそうです。
『土地』に登場する数多くの人物の中から浮かびあがる家族というしがらみ、
経済的困窮、愛への執着などが新たな視点で解釈されていて、
いまを生きる私たちの悩みにもフィットする言葉の数々がまとめられています。
人生の哲学書ともいえる『土地』を何倍も楽しめる人文書。
『土地』を読んでみたいけどまだ読めていないという人にもおすすめです。
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ぱく店長おすすめのカルチャー本

『한국 미술잡지의 역사』(韓国 美術雑誌の歴史)

韓国の美術雑誌の歴史は1917年発行の『美術と工芸』にはじまる。
この本は韓国美術の歴史を振り返りながら、話題となった美術記事や美術雑誌の中の広告を中心に、
それらをいくつかの視点(北朝鮮美術、美術本の出版、美術館など)から語っている。
2019年に開かれた展覧会「미술을 읽다-한국 미술잡지의 역사」の図録でもある本書は、
美術雑誌編集者によるインタビューなどもあり、
SNS時代を迎えた今後の韓国美術雑誌の展望についても語られている。
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魯店長おすすめの語学書

『새롭게 살려낸 우리말』(新たに活かした韓国語)

『ポリ国語辞典』の編集長を務めたチェ・ジョンギュさんが書いた本。
国語辞典や教科書にも載っておらず、翻訳者をはじめとする多くの人々が間違って使っている
韓国語の表現や日常の中に定着してしまった言い回しを指摘し、
正しい使い方で賢く使う方法を教えてくれます。
著者はこの本を通じ、中国の漢字言葉や日本の漢字言葉ではなく、
昔の宮廷の人々や知識人が使っていた「韓国語」とは何なのか、
改めて考えなければならないと話しています。
例えば、通販番組やテレビでよく耳にする表現の「고객님(お客様)」が、
なぜ間違った表現なのかについて例文とともに説明しています。
韓国語の学習者なら一度目にとめて欲しい1冊です。
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さわだ店長おすすめの児童書

『강남 사장님』(カンナム社長)

小学生でも雇ってくれるアルバイト探しに苦労していた
12歳のキム・ジフン。
ある日、ついに見つけたアルバイト先に行くと、
なんと社長はチャンネル登録者100万人ユーチューバーの猫だった!
猫の「カンナム社長」に雇われたジフンは執事として
社長の食事とおやつの準備、トイレ掃除、動画撮影、
そしてファンからのコメント管理まで引き受けることに。
ジフンには一生懸命働く訳があり、
カンナム社長にも実は野良猫だった時代があった。
そして、ジフンと社長は過去にも…?
新鮮で愉快なだけでなく、心温まるストーリーは大人にもおすすめ。
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ミニコラム

久しぶりのインプット

このところアウトプットばかりで、いろんな意味で枯渇気味だったので、
久しぶりにオンラインイベントに参加してみました。

『ウジョとソナ 独立運動家夫婦の子育て日記』(里山社)刊行記念イベントで、
主催は忘日舎さん。登壇者は、同書の翻訳者の神谷丹路さんと、
『長江日記――ある女性独立運動家の回想録 (大韓民国臨時政府の記憶I)』
(鄭靖和著、明石書店)の翻訳者、姜信子さんでした。

2冊はいずれも、大韓民国臨時政府の発足100年(2019年)を機に韓国であらためて注目を集めた作品で、
邦訳はそれぞれ、今年の7月と1月に刊行されています。
興味深いのは、『ウジョとソナ』の原案者と『長江日記』の著者のことが互いの本の中で描写されていることで、
その縁もあってお二人が一緒に登壇することになったそうです。

イベント前に『ウジョとソナ』を読み、
日中戦争中の日本軍による空爆がどれだけひどいものであったかをあらためて知りました。
この本は、独立運動に携わっていた夫婦の子育て日記という形で描かれたグラフィックノベルですが、
大韓民国臨時政府について知るのはもちろん、
日中戦争について知り、考えるいい機会になる1冊だと思います。
ジェシーという愛らしい女の子の成長を通して、
過去の歴史とその時代を生きた人々の物語が淡々と、だけど温かく描かれていることが、
自然とつらい過去に目を向ける気持ちにさせてくれる気がします。
次は『長江日記』を読むつもりです。

ちなみに、『ウジョとソナ』はチェッコリでも販売です。
http://www.chekccori.tokyo/order 
(土曜店長 しみず)

イベント情報

9月5日 (土) 14:00 – 15:00 
【オンライン】<感想文>ではない<ブックレビュー>の永江流お作法

日記でもなく、感想文でもなく、やはり<ブックレビュー>と呼べる文章にするコツがあります。
そのコツを「第12回K文学レビューコンクール」の審査員も務めていただいている著作家の永江朗さんにお話しいただきます。
参加費無料。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=720

◆9月16日 (水) 19:00 – 21:00
【オンライン】第2期[チェッコリ大学]分断に抗する芸術家たち⑥

徐京植先生によるチェッコリ大学「分断に抗する芸術家たち」最終回となる第6回のテーマは、
「ある在日朝鮮人の美術遍歴―徐京植(ソキョンシク)の西洋美術巡礼より」です。
在日朝鮮人である徐京植先生が、約35年にわたって見つめてきた西洋の美術の世界は、
「見ている自分は誰か」を問う行為であったとおっしゃいます。
その行為の中で投影されてきた「朝鮮」について考える試みです。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=700

◆9月18日 (金) 19:00 – 21:00 【オンライン】第3期[チェッコリ大学]韓国文学100年を学ぶ⑧

【[チェッコリ大学]韓国文学100年を学ぶ】の8回目のテーマは「民主化運動と文学」です。
朴正煕の死により長期独裁政権が幕を下ろし、新たな軍事政権が誕生、
民主化に対する市民の意志は80年の光州(クァンジュ)民主化抗争として噴出します。
「民衆の時代」と呼ばれた80年代の文学を労働文学と一緒に考えてみます。
「光州」を描いた、林哲佑(イム・チョルウ)、ハン・ガン、キム・ヨンスなどの小説。
パク・ノヘの詩を読んでみましょう。
講師は、翻訳家のきむ ふなさんです。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=714

◆9月24日 (木) 20:00 – 21:30
【オンライン】お前が語るな!『椿の花咲く頃』~ 韓ドラメシとOSTで“ほっこり” ~

7月に開催し、80名もの超満席となったイベント「お前が語るな!」の第2弾を開催します。
今回ももちろん、コリアン・フード・コラムニストの八田靖史さんと、音楽ライターの
まつもとたくおさんが、それぞれの得意分野である「食」と「音楽」から、
ドラマのマイナーな魅力に切り込んでいきます。専門家としてツウをうならせる知識と、
韓国ドラマにはまだまだ詳しくないお二人のちょっと予想外のお話は必見です。
http://www.chekccori.tokyo/my-calendar?mc_id=719

おしまいに

暑い毎日ですが、やはり今年は月日の流れと身体、頭がうまく整合性が取れていない
気がしてなりませんね。もう9月が近づいているんですよ…
今年も「読書の秋」はもうそこまで来ています。今のうちに読みたい本を積んでおきましょう。
きっと今年はいっぱい読めると思うんです。「おうち時間」を楽しみましょ!
(宣伝広報担当 ささき)

発行:CHEKCCORI(チェッコリ)
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